大阪「カジノと万博の島」に鉄道は延びるか IR誘致の候補地「夢洲」へ3つの路線延伸案
今国会で話題となっているのが、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の実施法案だ。ギャンブル依存症への不安、カジノを成長戦略とすることへの疑問など批判も少なくなかったが、衆院内閣委員会で15日に可決された。与党は今国会での成立を目指す方針だ。
成立すれば、国はカジノの設置場所3カ所を選ぶことになるが、その最有力候補地と噂されているのが、大阪市此花(このはな)区にある埋立島「夢洲(ゆめしま)」だ。
大阪府は2010年から誘致活動を展開し、すでに複数の海外カジノ大手グループが1兆円規模の投資に意欲を示している。カジノを核にホテルや会議場などが整備される。
また、夢洲は、府が誘致している2025年の国際万国博覧会(大阪万博)の予定地でもある。想定入場者数2800万人で、今年11月で開催国は決まる。
IRと万博の島へ地下鉄が
大阪府知事と大阪市長は「大阪の魅力向上と新たな経済戦略のため、IRと万博を誘致して国際エンターテインメント都市を実現する」と意気軒昂だ。
夢洲と大阪都心を結ぶ鉄道として、地下鉄中央線の延伸が予定されている。2024年に開業し、カジノなどへの観光客、そして大阪万博の観客輸送を担うことになる。ほかにも、京阪中之島線とJR西日本桜島線の延伸案も浮上している。
大阪府民にすら名前と場所を覚えてもらっていない人工島で、今、なにが起きようとしているのか。幻の「大阪オリンピック」など湾岸開発の負の歴史を引きずる地下鉄北港テクノポート線計画を軸に解説してみよう。
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