大阪「カジノと万博の島」に鉄道は延びるか IR誘致の候補地「夢洲」へ3つの路線延伸案
夢洲は、大阪湾に浮かぶ総面積390haの埋立島で、東京臨海副都心(台場・有明・青海)に匹敵する広大な開発地だ。ただ、現状は、島の東側にコンテナターミナルが完成しただけで、商業施設はコンビニが1軒のみ。住民はいない。
この未完の埋立島が、7年後には、国際エンターテインメント拠点として整備されるという。
地下鉄夢洲駅は、埋立地の中心部地下に設置する予定で、その北側の第1期地区(70ha)がIR開発の中核エリアとなる。カジノやホテル、商業施設などが2024年までに建設され、年間1500万人の集客を見込んでいる。東京ビッグサイトより大きい10万~20万平方メートルの見本市会場、1万人規模の国際会議場も予定されている。建設投資4300億円、そして年1兆円の経済効果が期待されている。
大阪万博の来場者輸送については、1日あたり最大28万5000人と設定し、公共交通機関で約6割を担うと試算されている。地下鉄中央線をピーク時3分間隔に増発した上、シャトルバスを桜島駅や大阪駅、新大阪駅、難波駅から880便運行する。
夢洲駅南側の第2期地区(60ha)は、エンタメやビジネスの機能を持つエリアとして整備される。第3期地区(40ha)は長期滞在型リゾート施設となる方針だ。
2025年の大阪万博は、当初、会場面積を100haと想定していたが、後に155haに拡張している。入場者数2800万人、会場建設費と運営費は計2000億円。IRとあわせた経済効果は2.6兆円との試算もある。
鉄道アクセスには3つの案
夢洲IRの集客数は、第1期地区と地下鉄が開業する2024年で、年間1500万人と見込んでいる。ただ、第2期地区が完成する2026年以降は年間2700万人と想定しており、鉄道1本では足りなくなる。そこで、2014年に3つの鉄道アクセス案が示された。
① 地下鉄中央線延伸案(コスモスクエア―夢洲3km)
地下鉄中央線をコスモスクエア駅から夢洲駅まで延伸させる構想で、2024年の開業を目指している。
この案は、大阪市系の第三セクターである大阪港トランスポートシステム(OTS)社が、2000年に北港テクノポート線(コスモスクエア―夢洲―舞洲―新桜島)として鉄道事業の許可を得た区間がベースになっている。
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