民営化「大阪シティバス」が抱える根本問題

全国で続々、公営バスの民営化は課題が山積

大阪市営バスは4月に民営化した(写真:LOCO /PIXTA)

2018年4月1日、大阪市交通局の民営化が実施された。地下鉄事業は大阪市100%出資の大阪市高速電気軌道(愛称=Osaka Metro/以下、必要に応じて“大阪メトロ”と表記)へ、バス事業は大阪メトロが65.3%、大阪市が34.7%出資する大阪シティバスへ移管された。

大阪シティバスは市バス民営化の受け皿として設立されたわけではなく、もともとは大阪市交通局の外郭団体の大阪運輸振興として1988年に設立され(当初は大阪市交通局と大阪交通労働組合が出資し、のちに交通局100%出資となった)、USJ直行バスなどを自社事業として行うほか、市バス営業所(最終段階では住之江、鶴町、酉島の3カ所)の管理の受託と整備部門を引き受けていた事業者で、2014年4月に一般公募により大阪シティバスと改称、同年秋にはIKEA直行バスなどの路線を新設した。

橋下市政で民営化議論が本格化

大阪市交通局の民営化が具体的に議論されるようになったのは橋下徹市政が誕生した2011年のこと。それまでにも2006年ごろから民営化の話は出ていたが、市バス事業は多額の赤字を抱えていたこともあって民営化のメリットが見えにくく、2008年には「市営バスのあり方に関する検討会」が設けられ、その答申にもとづいて2009年には公営バス事業として生き残るアクションプランが策定された。この検討会には筆者も委員として参加している。

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しかし市営交通の民営化を公約の一つとした橋下市政になり、民営化はほぼ前提として議論がなされるようになる。とはいえ、黒字の地下鉄は民営化してもやっていかれるというイメージが見えたものの、赤字のバスはさまざまな議論が交錯してなかなか方針は定まらず、“先が見えない”状況の中で現場のモチベーションも下がっていった。

結局橋下市政の4年間では最終結論には至らず、あとを受けた吉村洋文市政下の2016年3月に、市の出資する事業体への一括譲渡による民営化の基本方針案が市議会で可決、2017年3月に市営交通事業の廃止に関する条例案も可決となった。これにより大阪シティバスの受け皿としての位置づけが明確化、資本構成を変えて対応することとなった。

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