東京医科大「差別入試」に損害賠償請求の動き

消費者団体が受験料の返還を求め団体訴訟へ

8月3日に東京医科大学前で抗議デモも行われた(写真:写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 東京医科大が医学部医学科の入学試験において女性受験生や多浪受験生の得点を一定割合で減点するという差別を行っていたことが明らかになり、世間を驚かせた。

事の発端は今年7月4日、東京地検特捜部が、文部科学省の「私立大学研究ブランディング事業」で東京医科大学に便宜を図る見返りに、同大に自分の息子を合格させてもらったとして、同省科学技術・学術政策局長(当時)の佐野太容疑者を受託収賄容疑で逮捕したことだ。

その後同大は、8月7日に内部調査報告書を公表し、医学部医学科一般入試試験において、平成30年以外は詳細は明らかでないものの、平成18年以降、女性および3浪以上の男性受験生に対する得点調整を行っていたことを明らかにした。

当然、厳しい行政処分、同大への補助金の削減等が行われるはずだが、被害を受けた女性受験者らの権利回復の道筋は見えてこない。そうした中、大きな動きがあった。

特定適格消費者団体・消費者機構日本が、9月19日に同大へ申し入れ書を送付し、平成29年度・30年度の医学部医学科の一般入学試験の女性および3浪以上の浪人生である志願者(合格者を除く)に対して、直ちに受験料相当額の損害賠償金の支払いを求めたのだ。受験料は1人6万円。東京医科大は10月5日までに回答したい、としている。

なぜ、受験料相当が損害賠償金となるのか

消費者機構日本の法的主張は興味深い。「独自の選考基準を学生募集要項で告知しておらず、公正かつ妥当な選考基準で合格者を選抜しなかったことは明らかであり、このことは、不法行為あるいは債務不履行にあたる」としているのだ。

まず、入試を「入学試験受験契約」と位置付け、「その合格者に在学契約の申込みの資格を付与し、又は合格者に在学契約の予約締結権を付与する契約」とする。そして「合格者の選抜にあたっては、公正かつ妥当な選考基準で合格者の選抜をすべき」と主張する。

公正かつ妥当な選考基準で選抜しないのであれば、そのことが許容できない志願者が受験することを防ぐため、「独自の選考基準について学生募集要項で受験を検討する者に対して明らかにすべき」としている。

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