メールの印象が悪い人が知らない小さなコツ 単語を1つ変えるだけで印象が良くなる
手紙は相手に気分よく受け取ってもらう必要があります。とはいえ依頼文とは原則ビジネス文書ですから、あまり余計な気ばかりをつかって用件がわからないようでは本末転倒です。
結びの一文にも気づかいを
依頼文の目的は、あくまでお願いを聞いてもらえるよう頼み込むことにあります。ですが、相手にとっては、こちらの頼みごとを聞かなければならない義理はありません。こういうとき、どういう表現がふさわしいのか、悩むところです。
私もかつては、こういう具合に結んでいました。
【例文E】
なにとぞお引き受けいただけますようお願い申し上げます。
ところが、依頼の趣旨をこう結んでいた手紙がありました。
【例文F】
お引き受けいただけましたら幸甚(こうじん)と存じます。
ふたつとも用件としては同じことです。しかし、自分がお願いされる立場であれば、やはり見ず知らずの相手から一方的にお願いされても、聞かなければならない義理は感じません。
そこで、こちらのお願いを突きつけるより、引き受けるか否かの選択権は相手に預け、こちらは相手の厚意に期待するという文章のほうが望ましいと思い、以後、依頼文ではもっぱら「お引き受けいただけましたら幸甚です」を使っています。
若いころの話ですが、当時の上司がよく原稿依頼の文書に「確信します」という文句を使っていました。書籍の原稿依頼ですから、その企画がどれだけ読者に期待され、市場に出たときにはどれだけの売れ行きが見込めるかを縷々(るる)述べなくてはなりません。
そういうとき、私は「……と思います」と書いていたのですが、その上司は「……と確信しております」と書いていました。
その企画が、どれほど読者に期待され、出版したときにどれだけ売れるのかは、やってみなければわからないことです。したがって、こちらは「思います」と、自分の推測、想像を書くしかないわけです。
ですが、「思います」というよりも、「確信します」というほうが、こちらの意思がより強く伝わるような気がします。そこで、やはり以後、「確信します」を多用するようにしました。
具体的には次のようになります。
【文例G(昔の表現)】
本書は、これまで○○さまのファンの期待に応えるばかりでなく、新たなファン層の開拓につながるものと思います。
【文例H(いまの表現)】
本書は、これまで○○さまのファンの期待に応えるばかりでなく、新たなファン層の開拓につながるものと確信いたします。
頼まれる側としては、思われるよりも確信されるほうがより安心感を覚えるでしょう。
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