「情報を奪う権力」を政府に渡してはいけない。なぜ現代の親や子どもたちは、先人たちよりもプライバシーを侵害されなければならないのか

見知らぬ男があなたの子供の写真を欲しがっているとしよう。1750年だったら、彼は画家に依頼し、その画家があなたの家のドアをノックして肖像画を描かせてくれと頼むかもしれない。その場合、あなたは断ることができる。

もし1850年だったら、見知らぬ男はダゲレオタイプ技師を雇い、光と水銀の蒸気が鮮やかに磨かれた銀色の銅版に子供の像を刻み込む間、じっと座っているように頼むかもしれない。この場合も、あなたは断ることができる。
もし1950年だったら、その男はポラロイドカメラを買って、あなたの家のドアをノックし、あなたの子供の写真を撮ってくれと頼むかもしれない。それでもあなたは拒否することができる。
政府は「情報を奪う権力」を欲している
なぜ現代の親や子どもたちは、先人たちよりもプライバシーを侵害されなければならないのだろうか。スパイやハッカー、あるいは警察官が、あなたの許可なく子どもの写真にアクセスできるようにすべきなのだろうか。もちろんそんな必要はない。
しかし、アメリカ、英国、欧州連合(EU)が、中国とロシアの暗号化を弱体化させる取り組みと歩調を合わせれば、それこそ危機に瀕することになる。アップルは最近、英国政府による、同社のサーバーに保存されている暗号化された個人データへのアクセス要求に抵抗したことで、世界的な見出しを飾った。言い換えれば、政府は情報を求める代わりに、市民にノーと言う機会を与えることなく、情報を奪う権力を欲しているのだ。