"元大物総務官僚"の新トップ誕生、IIJ谷脇社長が明かすデジタル社会での拡大戦略 「会社は第2の創業期」「データ流通ビジネスを追求する」

行政官時代の経験を生かせる
――社長就任に当たり、創業者の鈴木幸一会長との間ではどのような話があったのでしょうか。
去年の終わりころ、「年明けには発表するからね」と鈴木から話があり、正直びっくりした。最初に感じたのは、これはとても責任が重い仕事だということ。さはさりながら、今まで政策をやりながら自分が考えてきたデジタル社会(の在り方)を、IIJという技術力がある会社を軸に社会に実装するのは非常にやりがいがあるとも思った。
IIJに入ってからは、地方に出向いて顧客や自治体、ビジネスパートナーと意見交換をするとともに、経営全般を補佐し、IIJがこれまでの体制で進めてきた方針や問題意識を身につけ、どういう方向感で行くべきかを考えてきた。
デジタル化を実際に進めるのは大変だが、今は技術がとても安くなり、導入を具体的にイメージできるようになっている。(意見交換の過程で)皆さんの間で「何をやるか」ではなくて「どのようにやるか」と考え方が具体化して、まさにDXが進み始めていると強く感じた。この流れの中で、IIJとして次にどういうサービスを提供するか、先手を打っていきたい。
――総務省時代の谷脇さんを知る人たちからは、政策課題を整理したうえでその解決に向かってスピード感を持って一気に突き進んでいく、との人物評が聞こえてきます。行政官の経験をどう企業経営に生かしていきますか。
複雑な社会を俯瞰し、全体像を見据えたうえで、IIJのリソースをどう割り当てていけばいいか、どんなサービスが求められているかを考える必要がある。そのビジョンを提示するという意味では、行政官時代にそういった仕事に携わってきたことで、慣れている側面はある。
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