とりわけJさんにとって教育ベンチャーは2社目です。2社の対比による効率化の追求や学びもあるでしょう。Jさんは、将来自分で会社を起こすことも目指しているのですから、参考事例の蓄積という意味においては非常に有益な経験となりうるでしょう。
ただし、この場合気をつけるべきは、ベンチャーという会社における実務はあくまでも実務なのですが、包括的に学べるのではなく、世の中にある一例を学ぶに等しい側面があるということです。
つまりそこで学んだことがつねに正解であるという保証はないわけですし、知っているべきすべてを包括的に学ぶこともできません。
したがって、その弱点を補完するべく、たとえば夜間や週末に経営の勉強を幅広くしてみたり、セミナー参加をしてみたりと、自分自身で知見を広げるとともに、ベンチャーにおける「個別事象」または「個別解」ではなく、いわゆる「一般解」を身に付ける努力が必要です。
優秀なコンサルが優秀な経営者になれるわけではない
一方でコンサルはどうか?
確かに書かれているように、幅広く物事を学んだりすることはできるでしょう。そしてそこで学んだことが後ほど事業を経営するにあたって役に立つこともありうるでしょう。
ただし、コンサルとして優秀な人が優秀な経営者になれるかというと、残念ながらそのかぎりではありません。
したがって、この場合はコンサル勤務を通じて自分は何を学びたいのかを明確にしたうえで、どんな状態になったら卒業をするか、を考えつつ「修業期間」を過ごすべきです。
このようにこの2者の選択はどっちにも良しあしがありますから、どちらが正解というのもありません。そして両方やってみる手もあるのです。
たとえば、今しかできないであろうコンサルを先に数年経験してまた教育ベンチャーに戻る、という選択もありでしょう。
何を隠そう、私自身もベンチャーを経てコンサルで経験を積んでまた事業会社に戻っている口です。しかも同じ会社に、です。
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