「週5で習い事」の教育過熱はなぜ起きるのか 時間のない共働き家庭も巻きこまれていく

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ところが子ども向けの多くの習い事は、幼稚園に通わせている専業主婦家庭を前提としており、平日の15時くらいからの夕方の時間帯に開かれている。まだ仕事中の共働き家庭が子どもを連れて行ける時間帯ではない。土日の習い事もあるものの、共働き親は「土日くらいは家族で過ごしたい。でも習い事自体はさせたい」という人も少なくない。

そこで出てくるのが、仕事帰りの18時に保育園のお迎えに行った後、公文に通わせたり、シッターや祖父母や送迎サービスに依頼して、習い事に連れて行ってもらうというケースだ。待機児童の多い東京の認可保育園は、夫婦ともにフルタイム勤務でないと入ることは非常に難しいのだが、16時ごろに祖母などが迎えに来て習い事に連れて行く姿もしばしばみられる。

習い事の種類にもよるが、ひとたび始めると送迎、練習、宿題に追われるものも多い。幼稚園児は暇だからやっているという場合も多いのに、ただでさえ時間がない保育園児までここに突入していく。はたから見れば「なぜそこまでして」と思いそうになる。

しかし、この動きは定量的にも増えていることが確認できる。あまり言葉自体は浸透していないが、リクルートグループは2015年のトレンド予測で保育とおけいこが融合された「保けいこ」をトレンドワードとして発表し、保育園と習い事(おけいこ)の送迎サービスなどが増えていくと予測している。

前出のベネッセの調査によると、4~6歳の高年齢児だけに限ってみた場合、幼稚園児が習い事をしている比率は73%で、5年前の調査(71.3%)からさほど増えていないのに対し、保育園児の習い事率は56.7%と5年前(46.7%)から5ポイント以上増加している。

「園内」習い事が人気になる必然

こうしたニーズに対応してか、幼稚園の預かり保育や保育園の中にも、習い事的なプログラムを手掛ける園が出てきている。筆者が以前、保育園から幼稚園への転園を考えたことがある母親にその理由などを聞く調査をしたときに、彼女たちがたびたび口にしたのが園内での習い事についてだ。

「私立の幼稚園は制服がかわいいのに加え、習い事をやってくれる。幼稚園自体はお昼過ぎに終わるんですが、預かり保育でお迎えまでの間に体操の先生やピアノの先生、英会話の先生が来たり、それぞれの専門の先生が来て教えてくれます」(保育園から幼稚園への転園を検討)

「預かり保育の時間に、バスが来て水泳に連れて行ってくれたり、体操の先生が来て体操を教えてくれたり。(園でお迎えをただ)待っているだけじゃなくて、その時間を有効に使えるのが魅力的。お金はかかりますが、それは土日に習い事をしてもかかるので。近くのプールは土日すごく混んでいて、空きを待つのが大変だし、親としては平日にやってくれると助かる」(保育園から幼稚園に転園)

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