「採用川柳・短歌」、本当にツラいのは選ぶ側だ 「嘘でもいい 第一志望と 言ってくれ」

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時代は変わったのか、売り手市場のせいなのか、学生が真面目になって嘘をつけなくなったのか。採用に苦戦する中小企業の採用担当者による魂の叫びと言ってよさそうである。

祈られた 数は多いぞ 君よりも(東京都 ねぎさん)

企業が学生に送る不採用通知のメールは、末尾によくある「今後のご活躍をお祈り申し上げます」の文言から、俗に”お祈りメール”と呼ばれる。このメールが届くこと、つまり不合格になったことを、学生は”祈られた”と言う。

ここから派生して、企業側も学生から選考途中や内定を出した後に辞退されることを、”祈られた”と言うようになっている。中には、内定辞退を伝えるメールの末尾を、「貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。」で結ぶ学生もいるとか(!)。内定辞退を電話や面会ではなく、そのような一方的なメールで済ませてしまうなんて、明らかに学生の反撃だ。

1人の学生が企業から不採用と言われる数は、エントリーシートを提出した企業数を超えることはありえない。その数はせいぜい10~20社といったところだろう。それに対して、企業側が学生からお断りされる数は、そんな数ではとても追いつかない。そう考えると採用担当者は、相当タフでないとやっていけない。

電話でのやりとりにもイライラ・・・

続けて、佳作の中から抜粋して、4作品を紹介しよう。

折り返し 第一声で 誰ですか? 待て待てまずは 名前を名乗れ(東京都 DAC ismさん)

携帯電話の着信電話に登録のない、見慣れない電話番号があった場合、普段であれば無視してしまうところ、就活期となれば話は別である。自分が応募した企業からの合否連絡かもしれないからだ。

固定電話での会話に慣れた大人であれば、まずはこちらから名乗るのは常識でも、イマどきの学生はまったく違う。登録された電話番号(友人・知人など)同士での通話がほとんどのため、掛け手側も受け手側も、お互いが相手を分かったえで通話がスタートするのが普通だ。そこには掛け手が最初に名乗るなどという習慣はない。

ちょうど先月、ある大学教授から、似たような嘆きを聞いたところだ。今や大学の講義の欠席連絡は、電話やメールではなく、LINEになっているとのこと。学生からのメッセージには、宛名である教授の名前もなければ、送り主である自分の名前もない。ただ一言、「今日、休みます」だけ。その大学教授からの返信は、「誰ですか?」にならざるを得ないとか。そういう世代であることを認識して相対しないといけない時代のようだ。

好き嫌い 面接官に 左右され 当社も早く AI入れたい(神奈川県 採用初心者さん)

今年の採用活動を表すキーワードのひとつが、「AI(人工知能)採用」である。AIによるエントリーシートの合否判定、AIによる動画面接、AIによるマッチングテストなど、新卒採用領域でのAI活用の動きが進んでいる。

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