日本人が忘れてしまったサメとの深い関係

かつて築地市場にはサメがあふれていた

そのまま武器になりそうな重みがある(撮影:尾形文繁)

沼口:天狗で思い出しましたが、「天狗の爪」を山から見つけてきて、天狗がいたんじゃないかという話になっていたんです。今日持ってきました。

木本:これはまさに天狗の爪じゃないですか。相当大きな天狗ですね。

沼口:これは古代のサメであるメガロドンの歯と言われています。

木本:重いですね。そのまま武器になりそう。

沼口:この化石は黒い鉱物に置換されています。現生のサメの歯より重いですね。

木本:相当黒いから武器っぽいですよね。海底が隆起して山の上で見つかれば、昔の人が天狗の爪だと信じてしまうのも無理はないですね。こんな大きな天狗がいたら、めっちゃ怖かったでしょうね。メガロドンはいついなくなったんですか。

沼口:200万~2000万年前ですね。

木本:古代生物みたいなラブカは映画『シン・ゴジラ』に登場する第2形態のモデルと言われていますよね、

沼口:ラブカ、英語ではかわいらしく、フリルシャークって呼ばれるのですが、ちょうど鰓(えら)が鰓孔から飛び出していて、フリルをつけているように見えるからなんですが、深海ザメの一種です。3億7000万年前の古生代に生きていた軟骨魚類の化石と歯の形がとても似ています。

深海ザメの肝油が零戦の潤滑油に使用された

沼口:深海ザメの話をもう少しすると、静岡の焼津市には、深海ザメを漁獲する漁師の船が一隻だけあるんです。その方の話を聞いたら、おじいちゃんの代は、みんな深海ザメを獲る漁師だったそうです。肝臓が大きくて質の良い肝油が取れたようです。

木本:子どもの頃に食べていた肝油ですか。

沼口:食べる用途以外に、潤滑油として使われました。漁師さん曰(いわ)くサメの肝油は、マイナス40℃まで凝固せず液体のままだったそうです。それを何に使ったかというと、第2次世界大戦時の零戦の潤滑油でした。当時の技術では、融点の低いものが合成できなかった。深海ザメの肝油を零戦の潤滑油にするという需要が大きかったようです。

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