日本人が忘れてしまったサメとの深い関係

かつて築地市場にはサメがあふれていた

木本:刺身は食べますか?

沼口:獲れたてならばおいしいです。ネズミザメのハラミは上越のスーパーに売っていましたが、マグロのトロのみたいでとてもおいしいです。ネズミザメは、サメ肉として売られるときは、モウカザメと呼ばれています。マフカがなまったと言われてます。全国流通はちょっと難しいですけれど。

木本:サメ食文化のある地域でしか買えないものですね。

沼口:新潟県の上越はお正月に食べる文化があると聞いて取材に行ったんです。若い人はあまり食べませんが、スーパーでは年末の27日に気仙沼から大量に仕入れて、モウカザメやアブラツノザメ(こちらはムキサメという)の切り身をたくさん置いてあるコーナーがありました。

木本:お正月は鮭を食べるイメージですが。

沼口:上越市はサメがないと年越しできないというくらいでした。

木本:それは受け継がれてほしい伝統ですね。沼口さんの本で、蒲焼きがあるというのを読みました。

沼口:アブラツノザメが蒲焼きになります。青森の田向(たむかい)商店さんというサメの加工業者があって、新商品として送ってもらったらすごくおいしかった。

木本:ウナギと比べてどうでしたか。

沼口:ウナギよりも淡白な白身で柔らかいので、味付けや食べ方を工夫すると私はおいしく食べられると思いますね。

ヨーロッパにも残る「サメ食」の伝統

木本:イギリスのフィッシュ&チップスもサメが使われていたそうで。

沼口:そう、もともとはサメだったようですね。ヨーロッパではサメ食文化が残っていて、スペインはサメの輸入が多いですね。

木本:世界的に食用にされていたんですね。

沼口:先日、スリランカに行ってきたんですが、朝、昼、晩3食カレーでした。魚介カレーに使われるのは、カツオかサメでした。漁港でもサメばかり揚がっている港と、カツオばかり揚がっている港がありました。ドバイのフィッシュマーケットでもサメの水揚げは多かったです。

木本:昔は築地でも主役だったと本に書いてありましたね。

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