日本人が忘れてしまったサメとの深い関係

かつて築地市場にはサメがあふれていた

今の私たちが知らないサメの歴史や食べ方について教えてもらいました(撮影:尾形文繁)
夏休みシーズンにお送りしている「基礎から知りたい!」。魚類の中でも、軟骨魚類という特殊なジャンルの「サメ」について学んでいます。講師は世界で唯一のサメジャーナリストである、沼口麻子さん。4日連続特集の3日目は、日本人とサメの深くて長い関係について教えてもらいました。初めて聞くことばかりでホント勉強になりました!

縄文時代からサメは食べられていた

木本:サメの呼び方も地方によって違うんですよね。

この連載の過去記事はこちら

沼口:山陰地方では「ワニ」と呼ばれ、「フカ」もサメを意味しています。フカヒレのフカ。漢字では魚ヘンに養うと書く。それぞれ語源には諸説あって、地域や食文化によって呼び名が違います。

木本:小さい頃は、サメって日本にいる魚でなくて、どこか遠い外国の魚だと思っていました。でも、趣味の海釣りをすると、いっぱいサメがいます。日本ではサメとのかかわりが昔からあったんでしょうか?

沼口:縄文時代の三内丸山遺跡(青森県)からサメの骨が出てきています。昔から日本人がサメを食べていた証拠でしょうね。

木本:昔話や伝説にも出てくるんですか?

沼口:「因幡の白兎」の話をご存じでしょう。兎がワニの上に乗ってぴょんぴょん跳ねて渡ったという話があります。本来のワニは日本には存在しないので、冒頭に触れたように山陰地方でサメをワニと呼んでいたので、実際はサメだったと言われています。

木本:天狗が鼻の高い外国人だったというのと一緒ですね。

沼口:広島ではいまも「ワニ料理」があって、それはサメ肉を使ったものです。

木本:その話でも、ワニ=サメ説を濃厚に感じます。

次ページ「天狗の爪」は古代のサメの大きな歯の化石
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