イルカよりもサメが、ハードル低い?
木本:夏休みなので、子どもたちにもわかりやすくサメのことを解説してください。お話を聞くにあたって、テレビ収録の合間に『ほぼ命がけサメ図鑑』をスタッフの前で読んでいたら、「いま話題の本ですよね」と言われました。そもそも沼口さんはなぜ、サメの世界に飛び込んだんでしょう。
沼口:小さい頃から生き物全般、魚類も哺乳類も好きでした。生物に携わる仕事がしたいと思っていたら、たまたま水産系の大学に受かりました。4年生になるとどこかの研究室に入って卒論を書かなければいけないのですが、面白そうなのがクジラ、サメ、イカ、マグロでした。イルカに引かれましたが競合する人も多く、哺乳類なので、サンプリングできないのがネックでした。簡単に殺して研究対象にできませんし、調査捕鯨船に乗って研究するのも女性にはハードル高かったんです。そこで大きくてかっこよくて生態も面白いのはサメだなと。大学1年の時に読んだ『サメ・ウォッチング』という翻訳本に、サメは怖い存在ではなく、研究も進んでおらず、「求む研究者」とあったのも魅力でした。
木本:僕も一緒です。「即戦力求む」という松竹芸能の広告を見て応募したんですよ。
沼口:で、サメの研究室に進みました。私が知っている範囲で言えば、教授が研究しているテーマを学生がやらされることが多いようですが、私の先生は放任主義でした。「好きにテーマを選んでいいよ。でも、責任持って卒論を書きなさい」というスタンスで。私は言われてやるのが好きじゃないのでピッタリでした。
木本:能動的に決めたいタイプだったんですね。
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