子供が「嘘」をブレストする道徳授業の即効性 答えが出ないのも1つの答えなのだと学ぶ
「嘘って、ついてもいいのかな?」
「いい!」「だめ!」「だめだけど、いいときもある!」
埼玉県・戸田市立戸田第一小学校4年5組の教室。道徳の授業で、先生の問いかけに子供たちの大きな声が沸き上がる。
「嘘をついてもいい」と思う子供は約10人、「嘘をついてはいけない」と思う子供は二十数人。この日、教材として使われていた書籍『どう解く?』のページを開き、先生がこんなエピソードを紹介すると教室の空気が変わり始めた。
「友達から、好きじゃないプレゼントをもらった。『うれしい!』と嘘ついたら、友達は喜んでいた」
一瞬、教室が静まりかえる。
「やっぱり、嘘をついてもいいんじゃない?」
「いい嘘と悪い嘘があるんだよ」
子供たちが互いの顔を見ながら、さっきとは違う意見を口にする。
先生があらためて問うと、「嘘をついてもいい」と思う子供は約20人に増え、「嘘をついてはいけない」と思う子供はわずか3人まで数を減らした。中にはどちらにも手を挙げられず、迷っている子供の姿も。
さまざまな意見が出てくる
答えのない問題に向き合うからこそ、子供たちは成長を重ねていく。
なぜ、嘘をついてもいいのか?
あるいは、なぜ嘘をついてはいけないのか?
ついていい嘘があるとすれば、それはどんな場合か?
先生はテンポよく子供を指名し、さまざまな意見を引き出していく。友達の意見を聞いて同調したり反論したり、子供たちの議論はなかなか収まらない。
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