子供が「嘘」をブレストする道徳授業の即効性

答えが出ないのも1つの答えなのだと学ぶ

嘘をついて良いのか悪いのか。考え、議論する子供たち(撮影:森康志)
小学校で道徳が教科化されて早4カ月。現場で模索が続く中、『答えのない道徳の問題 どう解く?』(以下『どう解く?』)が話題を呼んでいる。同書を活用した道徳授業をレポートする。

「嘘って、ついてもいいのかな?」

「いい!」「だめ!」「だめだけど、いいときもある!」

埼玉県・戸田市立戸田第一小学校4年5組の教室。道徳の授業で、先生の問いかけに子供たちの大きな声が沸き上がる。

「嘘をついてもいい」と思う子供は約10人、「嘘をついてはいけない」と思う子供は二十数人。この日、教材として使われていた書籍『どう解く?』のページを開き、先生がこんなエピソードを紹介すると教室の空気が変わり始めた。

「友達から、好きじゃないプレゼントをもらった。『うれしい!』と嘘ついたら、友達は喜んでいた」

一瞬、教室が静まりかえる。

「やっぱり、嘘をついてもいいんじゃない?」

「いい嘘と悪い嘘があるんだよ」

子供たちが互いの顔を見ながら、さっきとは違う意見を口にする。

先生があらためて問うと、「嘘をついてもいい」と思う子供は約20人に増え、「嘘をついてはいけない」と思う子供はわずか3人まで数を減らした。中にはどちらにも手を挙げられず、迷っている子供の姿も。

さまざまな意見が出てくる

答えのない問題に向き合うからこそ、子供たちは成長を重ねていく。

なぜ、嘘をついてもいいのか?

あるいは、なぜ嘘をついてはいけないのか?

ついていい嘘があるとすれば、それはどんな場合か?

先生はテンポよく子供を指名し、さまざまな意見を引き出していく。友達の意見を聞いて同調したり反論したり、子供たちの議論はなかなか収まらない。

子供たちは次々に自分の意見を述べた(撮影:森康志)
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