お化け屋敷作りが幼児教育に効果絶大なワケ

幼少期の「遊び込み」が子どもを成長させる

お化け屋敷でどう驚かせるかを考える中で、非認知能力が身につくという(写真:diignat/iStock)  
子どもが小学校に入る前は、英語やプログラミングを勉強するより遊んだほうがいいという。その理由と背景について、新しい時代の教育に詳しい奈須正裕上智大学教授が2回にわたって解説する。後編のテーマは「遊びの大切さ」。

保育園や幼稚園の教育現場では従来、自制心や忍耐力などを示す「非認知能力」の育成に重点を置いてきた。

また、質の高い幼児教育の提供は、非認知能力を介して子どもたちの将来を大きく左右し、さらにそれが社会全体の治安や経済状況にも影響を及ぼすとの報告もある。

教育経済学では、すべての学校段階の中で幼児教育への社会的投資が最も効果的であるといわれている。近年、先進国はもとより開発途上国においても、幼児教育の拡充に注力する事例が増えている。

こうした背景には、前編でも紹介した「マシュマロ・テスト」の研究成果などがある。

戦略で感情や衝動を制御する

マシュマロ・テストでは、子どもがマシュマロを一時的に我慢できるかどうかを観察して、自制心の高さを測っている。ただし、ここで大切なのは、マシュマロを我慢するという特定の行為ではない。

子どもが先々自分の身に起こることを鮮明にイマジネーションし、そこから逆算して今なすべきことを考え、さらに自らの意志に合致する方向で衝動的欲求や感情を制御できるようになることが重要なのである。

実際、マシュマロを我慢できた子どもは、さまざまな戦略を用いていた。

手で顔を覆ってマシュマロを見ないようにする、歌を口ずさんで気を紛らわせる、自分の部屋にあるおもちゃのことを思い浮かべる、といった行動を取っていた。「待っていればマシュマロが2個」とつぶやいては、何のために我慢しているのかを再確認する子もいた。

また、「このマシュマロが本物じゃなくて、写真だって考えてもいいですよ。額縁に入れるんです」といったヒントを与えると、我慢できる時間が格段に長くなるとの報告もある。

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