「青田買い」「AO入試」が今後も増え続ける必然

「学力だけ」では大学に入れなくなりつつある

大学入試は今、変革期を迎えている(写真:Fast&Slow/PIXTA)

大学入試が大きく変わろうとしている。

こう書くと、センター試験に代わって2020年度から始まる「大学入学共通テスト」の話題だろうと考える人が多いに違いない。もちろん、「大学入学共通テスト」は一大変革である。

それと並ぶくらいの変化をもたらしかねないのが、多様な入試方法の拡大である。

わけても私立大学では、すでにかなりの人数が推薦入試やAO入試など、一般入試以外の多様な入試方法によって入学してきている。今後、さらに2つの動向が、この傾向に拍車をかけるであろう。

一般入試以外が増えていく背景

第1は、大学入試の「定員厳格化」である。

従来、入学定員に対する実入学者の割合が1.2倍までであれば、私学助成金は交付されていた。だが、2016年度以降、大都市部への学生の集中を是正する目的でこの基準が年々厳格化され、2018年度には1.1倍になった。対策として、各大学は一般入試での合格者の絞り込みを進めている。

一般入試で難しいのは、合格者のうち、どのくらいの学生が実際に入学するか、いわゆる「歩留まり」の予測である。ほんの少しでも読み間違えると定員超過となり、助成金がストップする。

この不安が合格者の絞り込みをもたらすのだが、皮肉なことに、より上位に位置する大学で不合格となった学生が大量に流れ込んでくるなど、相互に複雑な影響を及ぼし合う。各大学の従来とは異なる動きが、いよいよ歩留まりを読みにくくしている。

かくして、大学側にとっていわば「最終決済」である一般入試へのリスク集中を回避すべく、それ以前に実施される推薦・AO入試などで可能な限り定員を充足しようとの動きが活発化しかねない。

第2は、国立における推薦・AO入試の急速な拡大である。

従来、国立はもっぱら一般入試によっていたが、2015年に国立大学協会が打ち出した「推薦入試、AO入試などの割合を、2021年度までに入学定員の30%に引き上げる」との方針の下、2018年度には推薦・AO入試による入学者は16.8%に達しており、今後もその数字を伸ばしていくに違いない。私立が対抗措置として、推薦・AO入試をこれまで以上に強化するのは必至である。

ゆくゆくは国立で3割程度、私立ではさらに多くの学生が、推薦・AO入試などの多様な入試方法によって入学するようになるだろう。

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