現在、30話まで製作されていますが、まだ完結していません。“日本統一”までの道のりが1話90分前後でじっくり進んでいきます。
実は今、『日本統一』だけではなく、任侠ものが続々と作られています。Netflixではジェレット・レトさん主演で浅野忠信さん、椎名桔平さん、大森南朋さんらが出演する『アウトサイダー』、Amazonプライム・ビデオでは極道とグルメを組み合わせた『紺田照の合法レシピ』がまさにそう。7月クールの民放ドラマではBSジャパンで刑務所が舞台の『極道めし』が放送中です。『日本統一』に出演する小沢仁志さんもキャスティングされています。映画も今秋、遠藤憲一さんが元ヤクザの探偵役で主役を務める『アウト&アウト』が公開されます。
「定額制配信」時代に起こった任侠バブル
このように作品の出口に広がりをみせているのは「定額制サービスの場合、試し視聴がしやすい。配信の時代を迎え、手を出しにくかったジャンルの作品が気軽に視聴できるようになったことが大きいのでは」と、オールイン エンタテインメントのコンテンツ事業本部部長の鈴木祐介氏が分析します。鈴木氏は20年近くにわたってVシネ作品を取り扱っているなかで、視聴者層の変化も感じているそうです。
「Vシネのパッケージは40~60代の年齢層が購買を支えてくれています。一方、配信では30~50代がメイン視聴者。新しい層も取り込むことができています。これまで90年代の後半にレンタルビデオの普及によってVシネブームが起こり、現在は配信サービスの登場によって任侠バブルとも言える状況です」(鈴木氏)
そんななか、「ヤクザが背中を向けて死ぬ」「組長が夜中に一人でふらふら歩く」のようにリアリティに欠ける作品もあるようです。それに対して『日本統一』は主役の本宮さんをはじめVシネを知り尽くした各役者陣から脚本や現場の動きについてアイデアが出され、“ヤクザの基本のキ”が徹底されています。これに加えて、ヤクザ組織の徹底したタテ社会や他のシマとの交渉術、抗争戦略なども描かれているのである意味ビジネスドラマのように楽しめることも特徴です。
オールイン エンタテインメントのコンテンツ事業本部で国内/海外運用を担当する鈴木雄太氏は「本格派でもありながら、見やすさもあるということで、配信プラットフォーム各社に導入してもらっています。今年6月から配信が始まったHuluでは邦画ランキングの上位に入っています」と説明します。
『日本統一』のいかにも男気のある仕草や人生観などはまるで90年代当時のドラマを見ているようで、時代と逆行した作品とも言えるのですが、多様性あるコンテンツが受け入れられつつあるなか、新鮮に感じて案外どころか、ハマっている人が続出している理由がわかる気がします。
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