「組長の妻」、その超ワルな人生は壮絶だった

喧嘩、シンナー、男性関係、クスリ…

軽妙に語られるダークな世界(写真:Graphs / PIXTA)

タイトルを見てどんな本だろうと思った方に、あらかじめ申し伝えておきたい。最後には更生するので、安心して読み進めて欲しい、と。

だが本書『組長の妻、はじめます。: 女ギャング亜弓姐さんの超ワル人生懺悔録』は、更生してヤクザの世界から足を洗いましたといった類の単純な話ではない。更生して辿りついた先が、組長の妻であったのだ。ならばヤクザの世界よりも極悪な世界とは一体いかなるものなのか。それが本書の主人公・亜弓さんの半生を通して、これでもかと語られていく。

喧嘩、シンナー、男性関係、クスリ…

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いつだって大きな悪事は、些細な出来事から始まる。亜弓さんの不良への第一歩も、万引きであった。そこから喧嘩、シンナー、男性関係、クスリへと落ちていく様は、まるでレールを敷かれているかのようである。

そして最大の敵は、喧嘩の相手でも、警察でもなく、仲間たちの存在だ。悪事を行う際の人間関係こそが感覚を麻痺させ、その状態から抜け出すことを困難にし、人生を破滅の道へと追い込んでいくのだ。

やがて彼女は、付き合い始めた男がシャブの売り子と車の窃盗団をやっていたことをきっかけに、我が国の犯罪史上まれに見る窃盗団の女首領へと成り上がっていく。この自動車窃盗の腕前が、ハンパねぇレベルだ。

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