「組長の妻」、その超ワルな人生は壮絶だった 喧嘩、シンナー、男性関係、クスリ…

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その域へ到達するまでには、方向こそ間違えているものの、たゆまない努力が必要である。まずは、盗難アラームの見分け方。警報が音だけなのか、警察とか警備会社に通報されるものか、どのように解除したらいいのか、これをオートバックスや車やのメカニックに質問しまくることで、多くの知識を得た。続いて鍵の研究。キーシリンダーを外したり、分解したりして、キーシリンダーの構造を把握しようと努める。

熟練した後には、数分あれば車を盗むことができるほどの手腕を身につけ、「公園で木の実を拾うような感覚で、毎日、車泥棒をする」、そんな生活を送っていたという。その結果が、後にクルマを76台窃盗したことで起訴され、被害総額は1億円を超えと言われるくらいのスケール感を生み出した。

「マッドポリス事件」

しかし、こんな生活が長く続かないことなど、想像に難くはないだろう。やがて刑務所とシャバを行ったり来たりする生活が始まる。1度目の刑務所出所時は、弟分たちが気を利かせて出所祝いにシャブを持ってきたことから、1週間ももたずにシャブ生活へと逆戻り。別の出所時には、生活保護で住まいを借りたものの、数日もするとシャブ中と窃盗犯罪者ばかりが出入り売る悪のアジトと化してしまう。

もちろんシノギが車泥棒であるがゆえに、車中での緊迫したシーンとも隣り合わせの毎日だ。ある日、彼女が「マッドポリス事件」と命名した最大最悪の事件に直面する。

まず、シャブと赤玉の併用でハイになった連れの男が運転を誤り、派手に事故を起こす。身体が宙に舞い、シフトレバーの上にお尻から着地し、恥骨を骨折。しかも救急搬送された病院では、下半身が暴れまわるような痛みの中、連れの男が騒ぎを起こし追い出されてしまう。

そのうえ、逃げ込んだホテルではガサ入れにあってしまい、車で逃げ出そうとするが、一人の警官が車に乗り込み、車中にてまさかの発砲。顔の前で拳銃が火を噴くこと数回。最後は、警官を激走する車から外に蹴り出したというのだが、正直ドラマでもこんなシーンは描けないと思う。

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