テレビの映画再放送にイラッとする人の目線 「またジブリ?」他局のドラマ潰しに終始

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潰し合いの構図が見えてきます(撮影:尾形文繁、田邉佳介、吉野純治)

「また2週連続ジブリ?」と思った人は多かったのではないでしょうか。「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系)で、7月7日に『借りぐらしのアリエッティ』、14日に『思い出のマーニー』が放送されました。

放送回数は、『借りぐらしのアリエッティ』が3度目、『思い出のマーニー』が2度目と、この2作に関してはまだ少数ではあるものの、春夏秋冬ほとんどの季節でジブリ映画の再放送が行われているのです。

これまで『風の谷のナウシカ』が17回、『天空の城ラピュタ』が15回、『となりのトトロ』が15回、『火垂るの墓』が12回、『魔女の宅急便』が12回、『おもひでぽろぽろ』が8回、『紅の豚』が11回、『平成狸合戦ぽんぽこ』が8回、『耳をすませば』が10回、『もののけ姫』が9回、『千と千尋の神隠し』が8回、『猫の恩返し』が5回、『ハウルの動く城』が5回、『ゲド戦記』が3回、『崖の上のポニョ』が3回、『コクリコ坂から』が2回放送されました。

「人気があるから別格」という声がある一方、録画機器が発達・普及した今、「なぜ何度も放送するのか」という不満の声が増えているのも事実。近年、「Hulu」「Amazon プライム・ビデオ」「Netflix」などの有料動画配信サービスが登場したこともあり、「再放送のせいで新作映画が無料で見られない」「新作映画は有料で見ろということか!」と怒っている人々がいるのです。

また、ジブリ映画に限らず再放送という切り口で見ると、フジテレビが6月17日から4週連続で『パイレーツ・オブ・カリビアン』、7月14日に『カーズ』を再放送しました。いずれも人気シリーズではあるものの、そもそもプライムタイム(19~23時)で再放送をしているのは映画だけ。バラエティ、情報、スポーツ、音楽が再放送されることはほとんどないのです。

録画機器と動画配信サービスの普及で、映画を見る環境が充実した中、なぜ映画だけが再放送されるのか。そこには「人気があるから」だけではない事情があるのです。

「TBS『金曜ドラマ』潰し」の是非

日本テレビがジブリ映画を再放送し続ける最大の理由は、「人気があるから」というより、「リアルタイムで見てもらいやすい映画だから」。現在の視聴者は、「新しい」「面白そう」「本当に好き」な番組は録画してじっくり見る傾向がありますが、一方のジブリ映画は「気軽に見る」「安心する」タイプのコンテンツ。連ドラの録画率が高く、ジブリ映画のリアルタイムツイートが多いことからその様子がわかります。

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