テレビの映画再放送にイラッとする人の目線 「またジブリ?」他局のドラマ潰しに終始

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事実、日本テレビはほとんどの季節で、TBSの「金曜ドラマ」第1話放送日に合わせてジブリ映画を放送してきました。「1話を見てもらえないと、その後の継続視聴が厳しく、約2カ月半もの間、低迷し続ける」他局の連ドラにとっては、嫌がらせのような戦略です。

しかし、この問題は「日本テレビによるTBSの『金曜ドラマ』潰し」だけではありません。フジテレビの『カーズ』もTBSの「金曜ドラマ」第1話に、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』も日本テレビの「土曜ドラマ」第1話に合わせて放送されました。

たとえば、「新作連ドラvs.新作映画」という勝負なら健全な業界内の争いといえるでしょう。しかし、現状のような「新作連ドラを旧作映画で潰す」という考え方では、業界内で足を引っ張り合っているだけで、充実化へ向かう“外敵”ネットコンテンツとの争いに不安が残ります。

みなさんに誤解してほしくないのは、「ここでジブリ映画や『カーズ』『パイレーツ・オブ・カリビアン』の批判をするつもりはない」ということ。私自身、楽しんで見ている作品も多く、クオリティの高さに疑いの余地はありませんが、このままテレビ局同士の争いで再放送を続けていたら、せっかくの好印象が下がってしまいかねないのです。

実際、ジブリ映画は重要なターゲットであるはずの子どもたちが見られない21時以降に放送されています。本当の意味で「視聴者のために再放送している」と言うのなら、21時以降ばかりではなく、ファミリー層が見やすい平日の19時スタート、土日の昼前後にも放送するほうが自然でしょう。

一度もそのような時間帯での放送がないところに、視聴者よりも目先の視聴率を優先させていることがわかります。ただ、テレビの視聴習慣や愛着がない子どもたちが大人になった頃、今以上に苦しいビジネスを強いられるのは間違いありません。

狭い争いをやめ、大同団結できるか

映画再放送から少し話はそれますが、「テレビ局同士で潰し合う」という現象がほかの時間帯でも見られます。

7月16日に「ごめん、愛してる」(TBS系)、「警視庁いきもの係」(フジテレビ系)、「愛してたって、秘密はある。」(日本テレビ系)という新作ドラマ3本の放送時間がかぶっていました。本来、「ごめん」「警視庁」は21時から1時間、「愛して」が22時30分から1時間の放送で3本がかぶることはないはずなのに、「ごめん」が22時15分までの拡大版、「警視庁」が前番組の影響で繰り下げスタートとなり22時10分まで、「愛して」は30分繰り上げ拡大版で22時からの放送で、「民放3局が同じ時間帯に新作ドラマを放送している」という不思議な状況が起きてしまったのです。

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