ゾゾだけじゃない!衣料業界の自動採寸技術 アパレル各社がオーダー生産に乗り出す理由
「自宅に1着は必ずあるベーシックアイテムを、完璧な“あなたサイズ”でどんどんご用意していく。今までにない生産手法で、今までにない商品をなるべく早くお届けする」。「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するスタートトゥデイの前澤友作社長は、7月3日のメディア向け発表会でそう強調した。
スタートトゥデイは同日、今年1月に展開を始めたPB(プライベートブランド)「ZOZO」の商品ラインナップに、男性向けオーダースーツを新たに投入したと発表。世界展開を目指し、72の国と地域での販売にも乗り出した。
技術を駆使したオンデマンド生産
「ZOZO」の売りは、無料配布中の採寸用ボディスーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」で計測したデータに基づき、オーダーメードに近い形でぴったりサイズの商品を届けること。ゾゾスーツは当初、伸縮センサーを内蔵した仕様で発表したが、技術や費用の面で量産化が難しく、製造を断念した。その後、ある研究者チームから3億円で買い取ったアイデアを基に、スマートフォンで撮影して計測する新たなゾゾスーツを開発した。
商品の製造工程でも、外部から買い取った技術を一部生かし、ニットを縫い目なく立体的に編み上げる機械を持つ島精機製作所との協業にも着手した。「お預かりした体形データとオンデマンドで商品を生産できる機械を組み合わせて、信じられなかったようなスピードでぴったりのアイテムをお届けできるようになる」(前澤社長)。
テクノロジーを駆使して採寸やオーダー生産の手法の革新に取り組む動きは、スタートトゥデイに限った話ではない。ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正・会長兼社長も、4月の決算説明会で「より簡単に、スマートフォンとか店舗で瞬間的に採寸する方法を鋭意研究中」と語り、近い将来新たな採寸手法を取り入れることを示唆した。
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