ゾゾ、「オーダー紳士服」販売に至った舞台裏 お試し価格2万円台、紳士服大手の株価は下落

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7月3日の記者会見で、スタートトゥデイの前澤友作社長はPBのラインナップに男性用スーツを加えたことを発表した(撮影:梅谷秀司)
男性用オーダースーツの登場は、既存のアパレル業界にさらなる衝撃をもたらすのか――。
ファッション通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するスタートトゥデイは今年1月、採寸用ボディスーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」での計測データを基に、オーダーに近いかたちで生産するPB(プライベートブランド)の販売を開始。これまでシャツやデニムのみの展開だったが、7月3日に都内で開いたメディア向け発表会で、男性用スーツをラインナップに追加したことを明らかにした。
スタートトゥデイの発表後、紳士服メーカー各社の株価は急落。フルオーダーで、スーツとシャツのセット2万4800円(税込み)というお試し価格の設定も大きなインパクトを与えた。世界72の国・地域でのPB販売にも乗り出し、約10万人にゾゾスーツとPBのTシャツ、デニムを無料配布するという。オーダースーツを開発した狙いや、今後の世界展開に向けた戦略について前澤友作社長に聞いた。

スーツ業界から中途入社してきた社員

――今回発表したオーダースーツは以前からやりたかったものですか。

このPBの構想が出たときから頭の中にやりたい思いがありました。ただまさかこんなに早く実現できるとは思わなかったです。

たくさんのスーツ関係のプロフェッショナルの皆さんが、スーツ業界が抱えていた課題をなんとか解決したいという思いで当社に入ってきています。つるし(既製品)で販売していくのは限界がある。既製サイズで似合う方は似合うのでしょうけど、そうでない方もたくさんいる。同時にオーダースーツの心地よさを、スーツの世界で働いていた方は体感している。その実現が一番近そうなゾゾで一緒にやりたいと、入社してきています。

――オーダースーツの発売を発表後、紳士服メーカー各社の株価が下落しました。

存じ上げています(笑)。ちょっと過剰に反応しすぎなんじゃないかなとも思いますが・・・・・・。

――紳士服メーカーとも戦えるだけの商品はできたと思いますか。

そこはちょっと自信がありますし、そうじゃないと出さない。あの価格、さらにフルオーダーに近い形式で、というところにわれわれの価値がある。他社と同じものをやってもしようがない。(製造面で)一番難しいのはパターンですね。一人一人に合ったパターンを半自動的に、ほぼリアルタイムで生成する。そこの技術開発は難しかったですね。

次ページ見切り発車だった「初代ゾゾスーツ」
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