奇跡のスーパー「サンヨネ」を知っていますか? 魚離れを逆手にとる!鮮魚部の挑戦

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奇跡のスーパーは雰囲気も楽しい

宮本信子主演の映画『スーパーの女』(伊丹十三監督)のラストシーンを見たことがあるだろうか。やる気のある従業員たちが信頼し合って笑顔で働く、清潔で明るい理想の食品スーパーがそこには映し出されている。

しかし、現実には低価格や長時間営業だけを売りにしているチェーンが多い。労働条件が悪いからなのか、従業員の表情は冴えないしサービス精神や商品知識が乏しいと感じる。顧客もスーパーでの買い物に楽しさなどは求めておらず、より安い必需品をカゴに入れ、一様に不機嫌な顔でレジに列を作るだけ。店全体にいらだちと不満のオーラみたいなものが漂っていて、一刻も早く立ち去りたくなることもある。

映画は映画にすぎないのだとずっと思っていたが、サンヨネ蒲郡店を初めて訪れたときに、「こんなところにあのスーパーがあったのか」と懐かしいような気持ちになった。人と人が信じ合って働く職場。買い物に発見の喜びがある売り場。レジでは常連客とレジ係が笑顔であいさつを交わす姿も見られる。

実力がなくても追い詰められたりはしないけれど、実力があればどんどん仕事を任せてもらえる。サンヨネは安心と自由が両立する希有な会社なのだ。だからこそ、服部さんのようなヤンチャな人材が、才能を大いに開花させているのだと思う。人は生まれ育つ環境を選ぶことはできないけれど、生活や仕事の環境を選ぶことはある程度できる。協力し合いながらも、存分に能力を発揮できることのすばらしさ、そのような環境をあきらめず探して、幸せをつかみとることの大切さを感じるインタビューだった。

開店前に全員集合してもらいました。男性はとりあえずガッツポーズ!
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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