奇跡のスーパーは雰囲気も楽しい
宮本信子主演の映画『スーパーの女』(伊丹十三監督)のラストシーンを見たことがあるだろうか。やる気のある従業員たちが信頼し合って笑顔で働く、清潔で明るい理想の食品スーパーがそこには映し出されている。
しかし、現実には低価格や長時間営業だけを売りにしているチェーンが多い。労働条件が悪いからなのか、従業員の表情は冴えないしサービス精神や商品知識が乏しいと感じる。顧客もスーパーでの買い物に楽しさなどは求めておらず、より安い必需品をカゴに入れ、一様に不機嫌な顔でレジに列を作るだけ。店全体にいらだちと不満のオーラみたいなものが漂っていて、一刻も早く立ち去りたくなることもある。
映画は映画にすぎないのだとずっと思っていたが、サンヨネ蒲郡店を初めて訪れたときに、「こんなところにあのスーパーがあったのか」と懐かしいような気持ちになった。人と人が信じ合って働く職場。買い物に発見の喜びがある売り場。レジでは常連客とレジ係が笑顔であいさつを交わす姿も見られる。
実力がなくても追い詰められたりはしないけれど、実力があればどんどん仕事を任せてもらえる。サンヨネは安心と自由が両立する希有な会社なのだ。だからこそ、服部さんのようなヤンチャな人材が、才能を大いに開花させているのだと思う。人は生まれ育つ環境を選ぶことはできないけれど、生活や仕事の環境を選ぶことはある程度できる。協力し合いながらも、存分に能力を発揮できることのすばらしさ、そのような環境をあきらめず探して、幸せをつかみとることの大切さを感じるインタビューだった。
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