進化する「浅く、広く、ゆるく」つながる居場所 社会活動家・湯浅誠氏が東ちづるさんに聞く
東:子どもたちも知ってるんですね。高い数字ですね。驚きました。
たしかに私が幼かったころは、ご近所の赤ちゃんからお年寄り、飼い犬までフルネームで名前を言えたし、もらい風呂もしていました。つながりが強かったからこそ、たくさんの面倒なこともありましたけどね。
でも社会全体が、面倒だといって「孤」をつくり続けてきた結果として、今では逆に、つながりを求めるようになってきたのだとも感じますね。
湯浅:そうですね。「しがらみ」を嫌って、便利で効率的な暮らしを求めてきた。それはそれで必要なことだったと思いますが、利便性と効率性が貫徹してしまうと、あまりのつながりのなさにさびしさも感じる……。世の中が折り返し点を迎えているように感じます。ところで「まぜこぜ」とは、どういう思いが込められているのですか。
まぜご飯のように、丁寧に、混ざり合う
東:私がイメージしているのは「まぜご飯」のような社会です。
まぜご飯は、それぞれの材料を下ごしらえしたものを最後に混ぜ合わせますが、社会も同様で、それぞれに配慮された個が、地域社会の中で、混ざり合えばいいと思っているんです。でもその「配慮」は、たとえばセクシャルマイノリティ、障がい者とのかかわり、失敗も含めた気づきや経験からくるものと考えています。
ただ、これまで社会の中でマイノリティとされている人たちは、外に出てくることが難しい場合もありました。だから私たちは、アートや舞台や映像などエンターテインメントと掛け合わせて、楽しみながら、より多くの人に接点を持ってもらえる企画を実施しています。
そうすると「見世物じゃない」と言われることもありますが、そんなときはメンバー全員で「最高の見世物にしよう」とがんばっています(笑)。
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