進化する「浅く、広く、ゆるく」つながる居場所

社会活動家・湯浅誠氏が東ちづるさんに聞く

湯浅:なるほど~。子どものころから、格差だったり平和について考える機会があったわけですね。そして、その延長で、大人になってからも社会的な活動をされ、さらにGet in touchを立ち上げられて、ご自身では、普通のことという。

でも、自ら企画や事務的な調整などもされていらっしゃると言っていましたよね。正直、大変でしょう?

:大変です(笑)。でも、楽しむようにしています。東日本大震災のときに強く感じましたが、どの団体も目指しているのは同じなのに、縦割りで一緒にできてないことがたくさんあった。それが、Get in touchを立ち上げたきっかけです。

そりゃ調整は面倒なこともありますけど(笑)、行政や企業、団体とつながってより意味のある活動をするためには、個人の力だけでは足りず、組織や仲間がいたほうが効果的だと思ったんです。

湯浅:たくさん解決すべきことがある中で、「まぜこぜの社会」づくりに尽力されている理由は何ですか?

美しい言葉の一方、声をかけると不審者になる現代

:「子どもを地域で育てる」という言葉は美しいですが、私が、もし、歩いている子どもに話しかけたら、不審者になってしまう時代でもあるんですよね。私のように子どもがいない場合、子どもとかかわろうと思っても機会がほとんどありません。

ふだん人と人・社会とのつながりがないと、たとえば災害など何かあったときに、当然ながらつながれない。だからこそ、日頃からつながりを生み出す場が求められているのだと思います。

ただし、ぎちぎちのつながりじゃなくて、ゆるやかなもの。

「こども食堂」はまさに、つながりを生み出す場であり、居場所になってきている(撮影:神谷渚)

湯浅:「こども食堂」はまさに、そうしたつながりを生み出す場であり、居場所になってきています。地域の人たちが交流する拠点、地域の高齢者と子どもが出会う拠点であると同時に、中に課題を抱えている子がいれば、その子のさまざまなサインをキャッチする拠点でもあります。また「ワンオペ育児」などと言われて、子育てに大変なお母さんたちがお互いにつながる場にもなっています。

こども食堂は、この2年間で2000カ所増え、私たちの調査では約2300カ所になっていることがわかりました。この増加には、私たちも驚いています。今、自発的に広がったこども食堂で、万が一に備える「保険加入プロジェクト」を実施しています。

さらに、朝日小学生新聞が、小学生を対象にアンケートをしてくださったのですが、半数がこども食堂を知っていて、6割がこども食堂に行きたいと思っていると回答してくれたそうです。ただ、実際に行ったことがある子どもは、1割でした。このギャップを、これから埋めていく必要があると感じます。

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