進化する「浅く、広く、ゆるく」つながる居場所

社会活動家・湯浅誠氏が東ちづるさんに聞く

東さんが目指しているものや考えとは?(撮影:神谷渚)
日本の貧困問題に20年以上関わってきた、社会活動家であり法政大学教授の湯浅誠さん。今回対談するのは、女優やコメンテーターとして活躍する東ちづるさんです。
東さんは、個性を生かしながらほど良く調和する「まぜこぜ」の社会づくりのために一般社団法人Get in touchを立ち上げ、ボランティアを巻き込みながら、活動の幅を広げています。いったい、東さんが目指しているものとは?

視聴率の陰でとりこぼされている現実はないか

湯浅:今日は「こども食堂」をテーマに、地域の居場所づくりやつながりについて、まぜこぜの社会をつくる活動をされている東さんにお話を伺うのを、楽しみにしてきました。

まず、そもそも女優として活躍しながら、こういった社会的活動を積極的に行われるようになったきっかけを教えてください。

: 25年ぐらい前です。白血病の少年を取材したドキュメンタリー番組を観ていたときに違和感を抱きました。番組としては、「泣ける」構成だったのですが、彼はまったく泣いていない、むしろ淡々としていらっしゃいました。とても心に引っかかってしまい、思い切ってその方を探しました。実際にお会いできたのは、ご両親だったのですが、お話をお伺いすることができました。

湯浅:へー。お会いに行かれたのですか? その行動力はすごいですね。

:ちょうど私も生きづらかった時期でもあったんですよ。演じる役などテレビの影響もあって「お嫁さんにしたい芸能人」や「いい人」というイメージがついてしまい、ありのままの自分でいられないのではないかと戸惑っている頃でした。

東ちづるさん(撮影:神谷渚)

そのご両親にお会いしてわかったのですが、ちょうど骨髄バンクができたときで、本当は、そのことをもっと社会に知ってほしかったと言われたんです。

そのとき、視聴率を求めるあまり、本当に伝えなければいけないことがとりこぼされてしまってはいないかと強く感じたんですね。それがきっかけで、骨髄バンクの啓発活動や、あしなが育英会など他の活動にも広がっていきました。

さらにさかのぼると、出身地の広島県では、平和教育、同和教育も受けていたので、当たり前のように、差別にも個人の考えを持っていたし、特に8月には、毎年、平和や戦争についても考えていました。上京した後に、そういった話をすると「熱いやつ」ととらえられて逆にびっくりしましたけど、やっていることはずっと変わってない、と私は思っているんです。

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