ネットに飛び交う意見に惑わされるべからず それは客観的な根拠に基づいた事実なのか

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しかしながら、「Duke Reporters’ Lab」がファクトチェックの専門サイトと認定するためのいくつかの基準をクリアし、このデータベースに掲載されている日本のファクトチェック機関は、2012年に設立された日本報道検証機構(WANJ、ウェブサイト:GoHoo)のみ(2018年5月時点)。「朝日新聞社」や「BuzzFeed Japan」、調査報道NPO「ニュースのタネ」などの報道機関もファクトチェックの特集を始めているものの、まだまだ日本ではファクトチェックの取り組みは限定的で、世界と比べて遅れていると言えるでしょう。

「Duke Reporters’ Lab」の基準をクリアした日本のファクトチェック機関は、日本報道検証機構のみ(ホームページキャプチャー画面:©︎Duke Reporters’ Lab)

その状況に危機感を感じ2018年1月に設立されたのが、日本国内のファクトチェックの推進・普及を目指すNPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」です。目的は、「ファクトチェックの普及、啓発等に関する事業を行い、社会に誤った情報が広がるのを防ぐ仕組みを作り、市民が事実と異なる情報に惑わされないような社会を構築すること」。

早稲田大学ジャーナリズム大学院/政治経済学術院教授で、FIJの理事長を務める瀬川至朗さんは、FIJ設立に至った経緯やファクトチェックの意義をこう話します。

「フェイクニュース、真偽不明の情報がネットを通じて急速に拡散する時代になり、そういう不確かな情報に市民の健全な判断が左右されるおそれがあるという時代になっていると言えると思います。一方で、既存のメディアに対する市民の信頼が失われつつあるというのも世界共通の課題だと思います。そういう中で、日本におけるファクトチェックを推進することが重要。ファクトチェックの意義は、①誤報・虚報の拡散防止に貢献すること、②ジャーナリズムの信頼性向上に貢献すること、③言論の自由の基盤強化に貢献することです」

ファクトチェックに取り組みやすい環境づくりを

FIJの特徴は、ファクトチェックを行う団体ではないというところ。

「日本でファクトチェックを行う組織、あるいは個人に情報面、技術面、資金面のサポートを行い、ファクトチェックの担い手(ファクトチェッカー)を増やし育てることが大きな役目。目標は、日本においてより多くのメディアや個人がファクトチェックに取り組めるネットワークの構築を目指すということです」と、瀬川さん。

ファクトチェックの協働・支援の仕組みが活躍した最初の事例が、FIJの呼びかけにより行われた「2017年総選挙ファクトチェックプロジェクト」です。

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