吉村洋文が語る≪大阪・関西万博≫「うれしい悲鳴」と「ポスト万博」戦略

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吉村洋文
(撮影:ヒラオカスタジオ)
7月の参議院選挙を控え、各政党間での政策論争が活発化している日本維新の会の吉村洋文代表に、単独インタビューを行った(後編)。
→前編から読む

万博はうれしい悲鳴に

塩田:大阪・関西万博が4月に開幕して、2カ月余りが経過しました。

吉村:開幕前は批判も多かったけど、来場者も右肩上がりです。もう一度来たいと思う「リピーター希望率」は8割です。非常に多くの方が万博を楽しんでいると思います。黒字も見えてきました。

世界の 158の国と地域が一つになって、価値観や技術や文化、魅力を発信する。それが交わるという大きな経済効果がすでに出ていますが、経済効果以外にも大きな意義があります。入場の混雑とか、携帯がつながりにくいとか、いろいろな点はありましたが、日々、改善しながら運営しています。うれしい悲鳴のほうが大きいです。

塩田:閉幕は10月ですが、万博開催は大阪の経済、生活にどんな影響を残しそうですか。

吉村:すでに経済効果は出ています。実は海外から多くの企業団が来て、大阪、関西の企業団とのさまざまな交渉、企業間の交わり、交渉も実際に起きている。経済効果は着実に出ていると思います。日本全体では、3兆円の経済効果が出ると試算もされています。

塩田:10月に万博が終わった後、次の「ポスト万博」の大阪府政の目標は何ですか。

吉村:今、「Beyond EXPO 2025」という計画を作っています。万博を6カ月間の一過性のイベントにするのではなく、万博で生まれるレガシーを実際に社会実装して、実行していく。その計画の立案作業を進めています。

例えば、空飛ぶクルマも、実際にそれを社会実装させ、実用化させていく。ペロブスカイトというペラペラの薄い太陽光電池は日本の技術で、万博でも展示していますが、量産化する工場の計画がすでに立ったりしている。

そのほかのカーボンニュートラルのさまざまな技術も展示していますが、それを使った企業の新展開も増えている。万博で展示され、紹介されているものを、社会実装させていくことが重要で、今、国、経済界、大阪府・市で、万博で紹介されている技術の社会実装化の自己組織を立ち上げる準備を進めています。最終的に大きく日本経済に波及すると思っています。
今後、関西が果たすべき役割は、東西2極の1極を担って副首都経済圏として成長する。

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