ネットに飛び交う意見に惑わされるべからず それは客観的な根拠に基づいた事実なのか
新たなツールの実用化に向けて、共同開発チームは幅広い支援を求めています。
「この夏までに今のプロトタイプを完成させ、実際に試行実験を行い、今年の秋に実際に現場で使っていけるものにしていきたい。こうした仕組みをわれわれ3つのグループだけでなくて、さまざまな機関、さまざまな企業、さまざまな研究者に入っていただいて、多くのスキームの中で透明性の高い仕組みを作っていきたいと考えております」(乾教授)
市民も参加しやすいファクトチェックの仕組み作り
楊井さんは、市民も参加しやすいファクトチェックの仕組み作りをFIJとして工夫していきたいと考えています。
「欧米、特にヨーロッパでは、もともとジャーナリストではない人々がファクトチェックに取り組むということが非常に増えていると聞いております。非常に多様なバックグラウンドの人々がファクトチェックに参加しているというのを、昨年ファクトチェックの国際会議に参加して非常に感じました。FIJでも市民の皆さんにもファクトチェックに参加していただけるような仕組みを作れないかと取り組んでおります。悪意のある人はいますけど、多くの誤った情報の大半は、人間の勘違いや思い込みで生じているものが大きいと思います。今は誰でも発信できる時代ですから、誰でも間違った情報を発信してしまう可能性がある。自分で誰かの間違った情報を広めてしまう可能性がある。自分事として当事者意識を持ってほしい。ファクトチェックをすることは、自分たちのスキルアップ、リテラシーを高めることにも役立つと思います。手の空いている人は少しでも参加して、時間のない人はファクトチェックをする人を応援する側として支援していただければなと思います」
FIJでは寄付での支援も必要としています。集まった支援金の使途としては、活動継続のための諸費用や、新しいツールの開発費に加え、世界ファクトチェックネットワーク(IFCN)の特設サイトの日本語訳も進めていきたいと考えています。日本ではまだまだファクトチェックに関する情報が限られていますが、IFCNの特設サイトではさまざまな教育コンテンツも提供されていると言います。
・ファクトチェックの海外のホームページの日本語訳
・活動継続のための経費(ワークスペースの確保、人件費、サイトのリニューアル)
・新しいツールの技術開発
情報を取り巻く環境をよりよくしていくために、私たち一人ひとりが何ができるかを考え、アクションを起こしていくことが必要とされています。
GARDEN Journalismの関連記事
北朝鮮を訪ね続けたNGO職員と映画監督が見た、「北朝鮮の素顔」
【児童労働根絶】児童労働1億6千万人以上 現場を知ってほしい
大川小訴訟 「なぜ我が子が死ななくてはいけなかったのか」 その一点を求めて
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら