激震!「ワセダクロニクル」スクープの舞台裏 渡辺周編集長が語る「調査報道への覚悟」
――記事掲載後の反応は?
読者の方からも同業者からも、いい反応がありました。既存のメディアにとっては、よほど腹をくくらないとやれないと思うので、そういう意味からも「よくやってくれた」と感じたのだと思います。しかし、こちらとしては無謀に戦っているわけではない。準備期間としても10カ月くらいかけ、慎重に取材を進めました。
丁寧に「地上戦」を進めた
――10カ月というと、昨年3月から。長い時間をかけましたね。
調査報道である以上、「当局によると」といった書き方はできない。自分たちで一つひとつ確認していかなければならない。必要なのは、まず証拠になる紙です。紙だけでも十分に強いのですが、それに加えて当事者にぶつけて証言をとっていく“地上戦”もやっていく。当事者たちがどこにいるのかを探し出し、どのようにアプローチするのかを考えて、直撃取材をする。こうした一つひとつの地上戦には時間がかかるわけです。
――編集部は何人いるのでしょうか。
かかわり方はいろいろですが、10人くらいです。プロのジャーナリストが大半ですが、さまざまなバックグラウンドの方が加わっています。
――皆さんボランタリーベースでの参加でしょうか。
隠すことではないのでハッキリ言いますが、みんな無給です。おカネを準備してから始める、ということも考えられるかもしれませんが、まず作品を見せて、私たちはこういう成果を上げられるんですよ、と示し、そこを評価していただいてから寄付金を集めることにしました。青臭い言い方になりますが、ここまでは志だけでやってきました。おカネが集まってきたら給料についても考えていきますが、残念ながら今はまったくおカネはないんです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら