激震!「ワセダクロニクル」スクープの舞台裏

渡辺周編集長が語る「調査報道への覚悟」

ワセダクロニクルの渡辺周編集長に話を聞いた(撮影:梅谷秀司)
ついに日本にも新しい形の調査報道メディアが誕生した――。2月1日に公開された「電通グループからの『成功報酬』~買われた記事(1)」(ワセダクロニクル)を読んでそう感じた人は多かったのではないか。
ワセダクロニクルは、早稲田大学ジャーナリズム研究所(所長:花田達朗)のもとに作られた非営利の調査報道メディア。同研究所の招聘研究員でもある渡辺周編集長が手掛けた創刊第1弾は、人の命にかかわる医薬品の記事に金銭が支払われていた、という衝撃的なもの。問題となっているのは電通グループと共同通信社である。さっそく渡辺編集長に会い、今回の調査報道に懸けた思い、そしてワセダクロニクルが目指すものを聞いた。

 

――記事掲載後の反応は?

読者の方からも同業者からも、いい反応がありました。既存のメディアにとっては、よほど腹をくくらないとやれないと思うので、そういう意味からも「よくやってくれた」と感じたのだと思います。しかし、こちらとしては無謀に戦っているわけではない。準備期間としても10カ月くらいかけ、慎重に取材を進めました。

丁寧に「地上戦」を進めた

――10カ月というと、昨年3月から。長い時間をかけましたね。

調査報道である以上、「当局によると」といった書き方はできない。自分たちで一つひとつ確認していかなければならない。必要なのは、まず証拠になる紙です。紙だけでも十分に強いのですが、それに加えて当事者にぶつけて証言をとっていく“地上戦”もやっていく。当事者たちがどこにいるのかを探し出し、どのようにアプローチするのかを考えて、直撃取材をする。こうした一つひとつの地上戦には時間がかかるわけです。

――編集部は何人いるのでしょうか。

かかわり方はいろいろですが、10人くらいです。プロのジャーナリストが大半ですが、さまざまなバックグラウンドの方が加わっています。

――皆さんボランタリーベースでの参加でしょうか。

隠すことではないのでハッキリ言いますが、みんな無給です。おカネを準備してから始める、ということも考えられるかもしれませんが、まず作品を見せて、私たちはこういう成果を上げられるんですよ、と示し、そこを評価していただいてから寄付金を集めることにしました。青臭い言い方になりますが、ここまでは志だけでやってきました。おカネが集まってきたら給料についても考えていきますが、残念ながら今はまったくおカネはないんです。

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