ごぶさたしております。わたくし、TKO木本武宏が、複雑な現代の世の中について、その道の専門家に教えを乞う「基礎から知りたい」。第4タームのお相手は、われわれ芸人が今いちばん恐れている存在である「週刊文春」の編集長、新谷学さんです。
講義1は「週刊文春は、なぜスクープ連発が止まらないのか」。ものすごい充実した内容だったので、1回では収まりきらず前編、後編に分けてお届けします。今回は、その前編。どうして「週刊文春」がデッカイスクープを連発できるのか。興味津々の舞台裏を聞き出しましたよ。
「スクープを取れ」と言わないメディアが増えている
木本:いきなり本題に入ります。どうして週刊文春はスクープ連発が止まらないのでしょうか。だって、どこの編集部の編集長も、「スクープ取ってこい!」と号令しているわけですよね? なぜ文春だけ飛び抜けているんですか。
新谷:どこの編集長も・・・というのは、ちょっと違うのかな。かつてはスクープやスキャンダルは週刊誌の華であり、武器であるという時代が続いていました。ただし、ここのところ変わってきています。雑誌だけでなく、新聞もテレビも含めて変わってきていますね。スクープを取るには手間暇、おカネがかかります。
おカネをかけてもきちんと事実が確認できなければボツになることもあり、おカネも労力も無駄になる。思ったより売れないこともあるし、名誉毀損で裁判になることもある。最近は裁判で勝つのがメディア側も難しく、プライバシーを守ることに対して裁判所が重きを置くようになった。調査報道といういままで闘っていた土俵から、かなりいろんなメディアが降りているように思います。
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