女性に売り込め!日産の販売店改革 化粧品の体験コーナーまで設置

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軽自動車への本格参入に合わせ、日産自動車は軽の主力顧客層である女性客の取り込みを強化している。

自動車の世界は男性志向が強く、自動車販売店というのはそもそも女性にとっては入りづらい場所になっている。だが、訪問セールスから来店セールスに主軸が移る中、肝心の女性が販売店に入りにくくては商売が始まらない。

そうした危機意識から、日産は女性だけで構成される組織横断のプロジェクトチームを発足、女性の来店数を増やすための「レディー・ファースト・プログラム」を開始した。

駐車場に車が止めにくい、トイレの設備がよくない、紙コップが素っ気ない、あいさつの大声が怖い、説明が専門的すぎてわかりにくい……プロジェクトチームは販売現場の問題点を洗い出したうえで女性対応策を設定、改善を図っている。屋外で女性が試乗する際には日傘を差し掛ける、といった細々とした事柄までもが改善点として挙げられている。

販売会社にも女性対応強化のための女性担当者を置いてもらい、地域や店舗の実情に合わせた改善策や女性向けキャンペーンの展開を促しているところだ。

東京都練馬区の住宅街に立地する日産プリンス東京販売谷原店は、積極的な女性対応を進める店舗の1つ。

内装は明るく、自動車販売店にはそぐわないほどきれいな化粧室も整備されている。8月に開催した「女性販促デー」では、化粧品会社の地元営業所と提携して化粧品の体験コーナーを設けたところ、多くの女性客が来店した。

三浦弘悦店長は、「女性スタッフが中心となって改善策を進めているが、男性には思いつかない内容のものが多い」と、女性目線の改革に一定の手応えを感じているようだ。まだイベント以外の平常時に女性客が目立って増えたわけではないが、こうした店舗作りが徐々に浸透してくれば、女性客の誘導拡大につながると期待している。

(撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2013年10月19日号

丸山 尚文 東洋経済 記者

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まるやま たかふみ / Takafumi Maruyama

個人向け株式投資雑誌『会社四季報プロ500』編集長。『週刊東洋経済』編集部、「東洋経済オンライン」編集長、通信、自動車業界担当などを経て現職

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