サイバーエージェント"最速"の母が登る山 妊婦になっても、出産しても、さらに上へ

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「『自分の目標を達成するために営業する』スタンスは、そのうちお客様に見破られてしまいます。そう気づいてからは、お客様にとって価値のある仕事をしようと意識を変えました」

たとえば、1000万円の広告を一気に受注しようとするのではなく、価格が100万円でもお客さんのビジネスに大きなメリットがある商品なら、そちらを勧める。顧客のため――を突き詰めたら、強固な信頼関係ができ、結果的に成績は以前以上になったという。

こうして、石田さんは入社2年目にして部下3人のリーダーに。そして3年目には、部下数人のマネージャーに昇進した。

だが、優秀なプレーヤーの多くが優秀な管理職だとは限らない。石田さんもまた壁にぶつかった。「マネージャーらしく行動しなければ」と、変に気負ってしまったのだ。

「すぐ結果を出したいあまり、メンバーに『こうやれば成果が出るよ』だとか、『こうすればいいんだよ』なんて、“答え”をすぐに教えてしまったのです。そのうちメンバーが『石田さん、ここまでやったのですが、次はどうすればいいですか?』なんて聞いてくるようになり、『しまった』と思いました」

以来、自分の「営業スタイル」を押し付けず、部下のアイデアや工夫を「聞き出す」マネジメントスタイルに変えた。

すると、「メンバーから教わることが増え、チームにも活気が出た」と言う。そうなると、数字が付いてくる。気づけば、石田さんは27歳にして「サイバーエージェント初の女性局長」に出世していた。

女性初の局長就任、そして結婚……

局長になると、部下の数は15~20人とグッと増える。数字に責任を持つのはもちろん、メンバーを適材適所に配置する、一人ひとりの目標を設定し、その経過ごとに設定を変更するなど、経営に要求されるハードルは段違いに上がる。石田さん自身、「局長ひとりが失敗してしまうと、組織へのインパクトは甚大」だったと説明する。ましてや、初の女性局長ともなれば、期待値はさらに高まったはずだ。

そのプレッシャーに、押しつぶされそうにはならなかったのか?

「そりゃあプレッシャーは……ありましたよ。でも、私に『初の女性局長だから……』なんて考えはないし、プレッシャーがない環境はつまらないと思う性格なので、あんまり気にならなかったですねぇ」。

石田さんは、「プレッシャーをかけられるのが楽しい、好きだ」とさえ言う。一体、どんな感覚なのか?

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