できる子の親は「4月の動き方」に特徴がある

「レディネス」の重要性を知っていますか

これらの例のように、授業で勉強する前に、ちょっとでもその内容に親しんでおくことが大事です。なぜなら、授業で新しい勉強が始まったとき、それがまったく未知のものだと子どもは興味を持てないことが多いからです。

事前知識がないと、興味を持てない

たとえば、休み時間に友だちと「世界の果てまでイッテQ!」の話で盛り上がっていたとします。そこへ急にチャイムが鳴って、先生が「さあ、今日の3時間目は星座の勉強だよ」と言ったとします。ほとんどの子は「え? セイザって何だっけ?」とか「え、座り方の勉強?」などという感じになります。

というのも、多くの子は星座についての事前の経験と知識がほとんどなく、したがって急に星座と言われても興味関心が持てないからです。でも、事前に親子で星座を探したことがあるとか、星座の学習マンガを読んだとか、プラネタリウムで星座の動画を見たなどという子は、ちょっとした経験と知識があり、それによって新しい勉強への興味関心が持てるのです。

このような状態を教育学の専門用語で、「レディネスがある状態」といいます。レディネスとは、学習の成立にとって必要な「事前の経験と知識」や、「興味関心が持てる心の準備」のことです。

新しい勉強が始まったとき、レディネスがある子は「わたし、それ知ってる。見たことあるもん。やったことあるもん。え? みんな、知らないの? わたし、なんだかこの勉強、得意みたい!」という感じになって、やる気が大いにアップします。「なまじちょっと知ってると、慢心してしまうのではないか?」と思う人もいるかもしれませんが、小学校で長年教えてきた私の経験ではそんなことはありませんでした。

勉強が好きでよくできる子たちは、いろいろな知的分野でこのレディネスが豊富にあります。親が意識して家庭に知的な環境を整えていれば、生活の中で自然にレディネスができていきます。ですから、6年生で勉強する内容でも1年生ごろからレディネスが蓄えられていくのです。今まであまり意識していなかった方は、ぜひ新しい教科書に目を通して今年分のレディネスを準備するところから始めてみてください。

具体例をもう少し挙げます。6年生の社会で歴史の勉強をするとわかれば、歴史マンガや歴史図鑑を用意してあげましょう。特に歴史マンガはイチオシです。私が教えた子の中には歴史が大好きな子が何人もいましたが、みんな例外なく低・中学年の頃から歴史マンガを読みまくっていました。もちろん、6年生になってからでも、始めるに遅すぎるということはありません。休日に郷土博物館、歴史博物館、史跡、遺跡などを訪れてみるのもいいですね。ちょっと難しいかもしれませんが、テレビの大河ドラマや「歴史秘話ヒストリア」などを親子で見るのもいいと思います。

5年生の理科で天気の勉強をするとわかったら、毎日の天気予報を注意深く見るようにして、気温、気圧、高気圧、低気圧、湿度、風向、前線などの言葉の意味に触れておきましょう。休日に気象庁の気象科学館を見学するのもいいですね。また、リビングなどに気圧・温度・湿度計を置いて、日頃から気圧、気温、湿度などを意識するようにしましょう。

「今日は蒸し暑くてだるい」で終わるのではなく、「蒸し暑いと思ったら、気温が30度で湿度が82パーセントもある。気圧も990ヘクトパスカルしかない。もうすぐ雨が降るかも」と数値化する習慣がつけばすばらしいです。自然現象を数字でとらえるのが、理科や科学の基本的なマインドですから、これで理科的発想が身に付きます。

家族で「今日は湿度が高いから洗濯物は乾きにくいよ」「湿度が低いから空気が乾燥してるんだ。カゼをひかないようにマスクをしよう。加湿器もつけよう」「気圧が低いからおじいちゃんの腰の痛みが出るかも」などの会話が交わされるようになるといいですね。

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