わが子を「本が好きな子にしたい」。そう願っている親は多いと思います。本をよく読む子は語彙が豊かになり理解力や表現力も伸びます。知識が増えて知的好奇心も高くなり、勉強にも圧倒的によい影響があります。
また、感性が豊かになり、想像力や創造力も鍛えられます。さらには、自分の気持ちを客観的に見る能力や他者の気持ちを察する能力も高くなります。このほかにも読書の効用を挙げれば切りがないわけで、冒頭に挙げた親たちの願いはまことにもっともなものと言えます。
では、どうしたら子どもを本好きにすることができるのでしょうか? なんと言っても効果があるのは読み聞かせです。本の中には、楽しいお話、不思議な物語、夢のような世界、面白い情報など、子どもがわくわくするものがいっぱい詰まっています。大好きなお父さん・お母さんの温もりを感じながら、本の世界に浸る時間は、子どもにとって至福のひとときです。その幸せを感じながら本の世界の楽しさを味わった子が本を好きにならないはずがありません。
子どもへの愛情が空回りする親にこそ有効
そして、この読み聞かせの時間は、実は親にとってもすばらしい時間になります。親は子どものことを愛してはいるのですが、実際にはがみがみしかることが多くて、その愛情が空回りしている人が多いのが実状です。そんな人でも、読み聞かせのときは空回りすることなく、かわいいわが子のために心を込めて本を読むことができます。やることが決まっている分、言葉で愛情を伝えたり良好なコミュニケーションをとったりするのが苦手な人には好都合ともいえます。
実際、こういう話があります。小学1年生の女の子の父親で会社員の吉田さん(仮名)という人がいます。吉田さんはもとは経理の担当でしたが、急な人事異動で営業を担当することになりました。慣れない仕事でストレスがたまり、営業成績が上がらないこともあり、イライラすることが増えました。
娘のはるみさん(仮名)とおしゃべりしたり遊んだりする時間も減りました。家にいるときも、はるみさんと遊ぶどころか、「片づけができていない」とか「ちゃんと勉強はしなきゃダメだ」などの小言が増えてしまいました。
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