「本の読み聞かせ」を今からでもやるべき理由

「父と子」の関係づくりにも効果絶大だ

吉田さんははるみさんをかわいがりたいという気持ちはあるのですが、それが小言という形になってしまったのです。そのときのことを思い出して、吉田さんは「あのころは、はるみとの触れ合い方がわからなくなっていたようです」と言っています。

そんな吉田さんの様子を心配した奥さんが一計を案じました。それは吉田さんに絵本の読み聞かせを頼むというものでした。そして毎夜、吉田さんによる絵本タイムが始まりました。はるみさんが言うには、「お父さんの読み方はお母さんのと全然違うので、同じ絵本でも別の絵本のように感じて面白い」そうです。

しばらくすると、決まった時刻になるとはるみさんが絵本を持って吉田さんのひざの上に無理やり乗ってくるようになりました。吉田さんもつまらないことで小言を言うことがほとんどなくなりました。いつも楽しい触れ合いをして、人間関係のよい循環が始まると、つまらない小言など言えなくなるものなのでしょう。今では、日曜日になると親子3人で一緒に図書館に絵本を借りに行くようになりました。一度に30冊くらい借りてくるそうです。けっこう重くて大変だそうですが、親子で一緒に運ぶのがまた楽しいとのことです。

このように、読み聞かせは親にとっても幸せをもたらすものなのです。そして、もちろん子どもにも、本が好きになることのほかにも数多くの幸せをもたらします。

はるみさんは、毎日絵本の世界に浸りながら、お父さんの愛情をたっぷり実感しています。お父さんのことがますます大好きになりましたし、心が満たされ幸せな気持ちでいっぱいです。こういうことが子どもの心を安定させ、自己肯定感と他者信頼感を育てます。このように、読み聞かせは本当によいものです。

「続かない親」に伝えたいこと

ですから、私はよく「万難を排して、毎日読み聞かせの時間をとってください」と言っています。ときどきではなく毎日です。それほど価値のあることだからです。

でも、実際には行動に移す親ばかりではありませんし、たとえやり始めても続かない親が多いようです。忙しい、時間が取れない、ほかにもやることがたくさんある、仕事で疲れてそれどころではない、うっかり忘れてしまう、読む本がない、などの理由で続かない親が多いのです。

確かに、それらはすべてもっともな理由でしょうし、それぞれの家庭の事情もあるでしょう。それらの困難もわかったうえで、それでも何とかやってほしいと言いたいです。それが「万難を排して」という意味です。繰り返しになりますが、それほど価値のあることなのです。

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