エビデンスなき「糖質制限」論争は意味がない 「科学的」かつ「医学的」な正しさが求められる
これを裏づけるように、第56回日本糖尿病学会年次学術集会の報告によると、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)が中心の日本では、糖尿病患者さんにおいて、年間で新たに以下の合併症が発症しているのです。
・糖尿病網膜症からの失明が約3000人以上
・糖尿病足病変からの下肢切断が約3000人以上
高糖質食摂取による「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」による酸化ストレスがこれらの合併症の元凶です。
糖質制限食なら、これらの酸化ストレスが生じないので、糖尿病合併症を防げる可能性が極めて高いのです。
10年以上ブログで関連情報を公開
なお、一般の方々が読むときの煩雑を避ける意味で詳述しませんでしたが、この記事で述べた私の主張の根拠となるエビデンスについては、私のブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」で詳しくご説明しています(『週刊新潮』4月12日号に対する反論とともに4月7日に掲載)。このほかの糖質制限関連のエビデンスについても同ブログで説明していますし、医師向けの私の著書『糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド』でも示しています。
今回のマウス実験の件は特に「新事実」というほどのものではなく、先ほどご説明したように的外れな批判だと思いますが、これについてもブログで詳しく反論しておきました。そのほかのご批判についても、すでにブログでお答え済みのものばかりです。
2007年2月から始めたこのブログでは、かなり専門的な医学知識も公開してきました。糖質制限食におけるほとんどの論点を網羅していると自負しております。今後、糖質制限批判をされる方は、このブログに目を通してからにしていただければと思います。
私が糖質制限に関する書を初めて世に送り出してから13年以上が経ちますが、最近はもう、意味のあるご批判はほとんど出てこないというのが実感です。
今後、メディアなどに「批判」が出てきた場合も、私のブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」で反論していくつもりです。ご興味のある方は、どうか、そちらのほうをご参照ください。
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