ワクワクして、成長できる職場の作り方 ITの進化で変わる、ラーニングのかたち(下)

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<勘違い2> 育成は自社流に限る → 国や企業の壁を超えて学び合う

「人材育成といえば、対象として、社内の人間しか思い浮かばず、また社内のやり方でやるもの」という暗黙の前提を持つ人事の育成担当者は多い。でも、そんな組織の壁を軽やかに超えていく先進的企業がある。たとえば、ある商社では、自社の幹部養成プログラムにおいて、社内だけでなく、グループ会社の人材、そして取引先の人材を一緒にして育成している。

また7月にアクセンチュアが最新のテクノロジーやITを企業が活用していくための提言として発表したAccenture Technology Vision 2013で、「シームレス・コラボレーション」を大きなインパクトのひとつとして挙げた。企業経営においても、ソーシャルな情報共有が進むことで、これまで多階層、組織の壁に阻まれた活動世界が打ち破られ、よりシームレスに一体化した運営がなされてくるという見立てをしている。

具体的な動きとして、アクセンチュアでは複数のグローバル企業に対して、シェア型のラーニング基盤を提供している。各社で大きな違いはない基礎スキル、たとえば、財務や、サプライチェーンの基本などは、各社がそれぞれベストプラクティスを持ち寄って、最新の知見を効率的に習得できる基盤を運用しているのだ。

このシェア基盤を活用する企業は、シェアプログラムで浮いた費用を、より他社との差別化につながる重要なポジションの育成(たとえばグローバルで通用するブランドマネジャーや、ロシアで販売網を開拓できる人材育成など)に投資している。

日本企業も、こうした育成へのメリハリを効かせ、投資対効果にこだわっていかないと、競合であるグローバル企業と差がついていってしまうかもしれない。

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