「ネット上の美女」は、なぜ同じ顔になるのか こぞって人気者のメイクを真似ている
ワインガーテン氏は、カイリーが美しさの象徴になっている理由の一つとして、"親しみやすさ"を挙げる。
「1970年代や1950年代に美しさの象徴だったブロンドや青い目に比べて、(カイリーの美は)特定の人種にしかない身体的な特徴によるものではありません。みんな、自分に手が届く美しさだと感じているのでは」
みんなが同じような外見になるのは、フィルター機能や編集アプリの影響もあるだろう。肌をスムーズにするアプリ、目を大きく明るくするアプリを使えば、誰でも美しい姿に写真を編集できる。
整形のしやすさも無視できない。針や充填剤を使って、自分で二重まぶたやぷっくり唇をつくる人もいる。
これは何を意味するのか?
三人の専門家は、均質化された美は問題になり得ると懸念している。
ソーシャルメディアにあふれる美を真似すれば、自信や自尊心を持てるようになるかもしれないが、「そこで一体感を感じると、今度はよそ者になるのが怖くなる」とブルスティーン氏は指摘する。
さらに、「ずっと周りにあわせていると、自己否定的な感情が生まれたり、苦痛を感じたりする可能性があります。自分のアイデンティティを、メディアやセレブが作った社会基準に合わせなければいけないからです」とブルスティーン氏は述べる。