「ネット上の美女」は、なぜ同じ顔になるのか こぞって人気者のメイクを真似ている
いまは、インターネットのおかげで、世界中の美のトレンドを目にできるようになった。他の国のトレンドが、自分の国までやってくるのを待つ必要も無い。
かつてない早さで、世界中のトレンドを知り、自分でも試せる。海外コスメも、近くのドラッグストアで買える。
ワインガーテン氏はこう語る。
「人々はもはや、民族や人種や性別にとらわれていません。その結果、奇妙な類似が生まれました。以前はアフリカ系アメリカ人特有の髪質を持つ人は、彼ら独特のヘアスタイルをしていました。今では、髪質にとらわれず、好きなヘアスタイルにできます」
「現代のトレンドは、多文化の美が行き着いた、究極のバージョンです。Instagramで人気の、きりっとしたねこ目、ツヤツヤの大きな唇、整えられた眉は、肌の色や国籍に関係なく、全ての人が真似できます。そういう意味で身近なルックスであり、だからこそ、ネット上で多くの人が試しているのでしょう」
(人気のセレブ、カイリー・ジェンナーのインスタグラム)
周りに受け入れられたい
人間は周りにとけ込みたい、受け入れてもらいたいと願うもの。そのための方法の一つが、ソーシャルメディアの人気者の真似だ。
エンゲレン氏によれば、美のトレンドを代表しているのは、カイリー・ジェンナーのような、自撮り写真で埋め尽くされたInstagramアカウントを持ち、大勢の人にフォローされているセレブだ。
多くの人たちが、時には危険をかえりみないで、カイリーのような見た目になるための努力をしている。ブルスティーン氏はその理由を、自分に肯定的な気持ちを持つためだと考えている。
「セレブのような外見になると安心でき、自分には価値がある、認められていると感じられるのです。そして、Instagramに投稿した自分の写真が拡散されると、その考えは間違っていないと確信する。自分に自信を持つための手段なのです」