だからJALはエアバスに乗り替えた 欧州大手がボーイングから優良顧客を奪取

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A350型機は、エアバスが開発を進める次世代の大型機。エアバスは「A350―800」(標準座席数270)、「A350―900」(同314)、「A350―1000」(同350)の3機種の投入を予定しており、14年にまず「A350―900」から出荷を開始する計画だ。JALが発注した31機の内訳は、「A350―900」が18機、「A350―1000」が13機。25機のオプションについては、今後の事業環境や需要を見極めたうえで行使の有無、機種を決める。

エアバスの次世代機「A350」

B777の後継機をめぐっては、ボーイング社も最新鋭機の開発を進めており、JALに売り込みを掛けていた。同社は最新鋭中型機「B787」シリーズの拡張機種として、「B787―9」(250~290席、14年出荷開始予定)と「B787―10」(300~330席、18年出荷開始予定)の開発を進めているほか、「B777」シリーズでも燃費性能などを大幅に改善した次世代型機「B777X」(350~400席、19年出荷開始予定)の開発プロジェクトが動き出している。

決め手は何だったのか?

エアバスのA350にするか、それともボーイングのB787拡張機種と777Xで行くか――。1年ほど前から本格的な検討を始め、JALが最終的に選んだのは長年のパートナーであるボーイングではなく、これまで取引のなかったエアバスだった。都内でエアバスのファブリス・ブレジエCEOと共同で会見したJALの植木義晴社長は、「当社の要望にA350が一番マッチした。具体的に言うと、安全性、品質、サポートなどを含めた経済性、既存機の更新時期。その4点を判断基準として考えた結果だ」と選定理由を説明した。

一方、エアバスにとっても、今回の大口受注は大きな意味を持つ。フランスやドイツなど欧州4カ国の航空機メーカーが統合したエアバスは、ボーイング社と世界の中大型旅客機市場を二分。しかし、日本市場はこれまでボーイングのほぼ独壇場で、エアバスは大苦戦を余儀なくされてきた。ブレジエCEOは、「今回の契約は、A350が非常に優れているということを示すサインになる。当社にとって、日本市場における大きな突破口になる」と、今後のシェア拡大への期待を語った。

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