就航わずか10年でJALを抜いた「中東の翼」 エティハド航空の強さの秘密に迫る
中東の真ん中に位置するアラブ首長国連邦(UAE)。その首都であるアブダビを拠点とする航空会社が、猛烈に勢いを増している。エティハド航空。日本では、成田国際空港と中部国際空港(北京経由)から、アブダビ国際空港に就航するエアラインである。
「今日はエティハドにとって、歴史的な1日だ」――。5月4日、アブダビのフェアモントホテル内に設けられた特設会場で、エティハドのジェームス・ホーガンCEOは高らかに宣言した。
同社はこの日、世界各国から約160人のメディア関係者を招き、大々的な発表会を開催。エアバス「A380」とボーイング「787」を新機材として導入し、2014年12月から主要な路線で順次、就航すると発表した。
まるでマンションの1室
エティハドはこれまでボーイング「777」、エアバス「A340」「A330」「A320」「A319」などの機材を飛ばしてきたが、総2階建てで世界最大級の超大型旅客機であるA380と、数々の技術を駆使して燃費や飛行性能を高めた最新鋭機の787を、保有機材のラインナップに加える。「ファーストクラスやビジネスクラスの需要が高い路線の座席数を増やす」(ピーター・バウムガートナーCOO)のが狙いだ。
A380の1号機は、まずアブダビ―ロンドン線で就航。その後、ニューヨーク、シドニーなどへも路線を張る。エティハドはA380に、まるでマンションの1室のような居住空間のファーストクラス「ファースト・アパートメント」を設定。ファースト・アパートメントはリクライニングのラウンジチェアを広げると、全長約204センチメートルのフルフラットベッドに変わるオットマンをはじめ、冷蔵ミニバーや個別の洗面所、シャワールームなどを備える。