就航わずか10年でJALを抜いた「中東の翼」

エティハド航空の強さの秘密に迫る

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新機材はビジネスクラスの快適性も高めている

他国の航空会社の買収にも積極的。現在は、エールフランスがあきらめたイタリアの大手航空会社、アリタリア‐イタリア航空の買収交渉を進めている。

地の利も大きい。中東はユーラシア、アフリカ、ヨーロッパ、南北アメリカという5大陸の中央に位置するため、各国からいったんアブダビに集め、また各国へとつなぐハブ&スポーク戦略が取りやすい。そのカギを握るアブダビ国際空港は現在、大規模な拡張工事を進めており、2017年に完成する予定だ。

航空会社の経営でキモになる燃料調達の優位性もポイントといえる。自国で生産している燃油が価格競争力の高さにつながっており、同じく中東系のエミレーツやカタール航空(ドーハ拠点)とともに、アジアや欧州の有力な航空会社から顧客を奪っている。

もう1つ、目を見張るのが、エティハドの国際性だ。UAEの国営会社で取締役には王族が名を連ねるものの、CEOのホーガン氏はオーストラリア出身で、世界のさまざまなエアラインでの経歴を持つ航空会社経営のプロ。また、外部からの人材受け入れにも積極的で、勤務するスタッフの国籍は約140に上る。実は日本人の客室乗務員も100人近く在籍しており、アブダビを拠点に世界中を飛び回っている。

次なる狙いはアジア需要か

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国際色豊かなエティハドの幹部陣とスタッフ

エティハドに、エミレーツ、カタールを加えた3社は「中東の翼」と呼ばれ、世界の航空業界を席巻している。日本の航空会社にとっても、無関係ではない。

中東3社は今後、アジア―北米間の重要幹線ルートを狙ってくるという見方がある。現在、東南アジアから北米に行くには、日本の成田空港や韓国の仁川空港などを経由するルートが有力だが、高品質な機材と相対的に割安な運賃により、中東を経由して北米へと移動する需要を掘り起こしていく可能性はある。

「裏庭で取れるオイルで運航する航空会社には勝てない」(日本の大手航空会社首脳)と言いながらも、ANAやJALといった日本の大手航空会社も本気で対策を考えなければ、この勢いは止められないかもしれない。

 

「週刊東洋経済」2014年5月3日-10日号(4月28日発売)では「最強のエアライン」と題した特集を掲載しています

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