だからJALはエアバスに乗り替えた 欧州大手がボーイングから優良顧客を奪取

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――今まで日本市場で苦戦してきた理由はどこにあると考えているか。

ブレジエCEO 過去について判断するのは難しいが、当社がこれまですべきことをしなかった面はあると思う。お客さん(航空会社)としっかりコミュニケーションして、理解し合う努力が足りなかった。今回はエアバスジャパンが中心となって、それを粘り強くやった。もちろん、製品自体が優れている点も非常に大きい。A350はベストプロダクト。B777の後継機種としては最高の旅客機だ。

今、世界は大きく変わりつつある。マーケットはオープンになり、航空会社はベストな機材を調達しようとする。それはどの国でも同じこと。(競争環境も厳しくなり、)エアラインはベストな飛行機を選ぶ必要性に迫られている。

――日米の政治的・産業的な関係もあって、これまで日本の航空会社はボーイングからの調達が当然視されてきた。今回、そういった点はまったく考慮しなかったのか。

植木社長 旅客機は導入してから20年間は使用する。後輩たちのために、よい飛行機を残したい、という思いで機種を決めた。もちろん、JAL独自で判断した。(監督官庁の)国土交通省には今日、ご報告させていただいた。

――公的支援を受けたJALに対しては、政府が再生の進捗状況を適切に監視・指導することになっている。今回のような大きな投資は、その対象となるのでは?

植木社長 投資計画については、きちんとご報告している。ただ、今回のような機材調達に関する話は相手企業もあって、守秘義務の縛りが多い事柄。その具体的な内容については、細かく事前にご報告するのは難しい。今回の投資は事業運営をしていくのに必要なもの。報告・監視はありえても、投資について抑制的な判断を受ける対象だとは思っていない。

 
渡辺 清治 東洋経済 記者
武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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