”離婚の危機”をエリートはどう乗り越える?

結婚生活の悲惨さは、全て株価に織り込み済み?

危機は未然に防げ~結婚前の“夫婦間条約”が重要

さて、結婚生活を上手くこなしているエリートカップルの事例に関してだが、以下では日本人グローバルエリート同士がどのように結婚生活を維持しているかご紹介しよう。ここに登場する友人夫妻は夫が一流コンサルティングファームから米国一流MBAを通じてヘッジファンドに転身し、奥さんは幼稚舎から慶応で、弁護士資格を有して国連機関で働くという才覚豊かな美男美女カップルなわけだが、お互いやりたい仕事が違う国にあるので、両者のキャリア観と家族観に折り合いをつけるのは大変であった。

しかし感心したのは、両者の間で“どうしても2人が離れなければならなくなったら、片方が仕事を犠牲にしてついていくが、折れて相手についていくのは両者がかわりばんこ”という取り決めがなされていることだ。

実際、旦那さんがハーバードにMBA留学する時は奥さんが日本の弁護士事務所を辞めてボストンで2年間過ごし、逆に奥さんが夢だったブリュッセルでの国際機関への就職の機会を得たときは、順調に出世頭だった大手ヘッジファンドでの仕事を辞めてまでパリに一緒についていったのである。

ここでの教訓は、やはりグローバルエリート同士で結婚すると、キャリアを犠牲にしてでも一緒にいたい、と思えるような伴侶を早期に探せ、ということか。加えてこの夫妻のように結婚する前の取り決め事項として、双方がキャリアのために違う国に住むことになったらどちらがどの順番で譲歩する、みたいな夫婦間条約を(守られるかは別にして)事前に締結しておくことが、結婚生活維持の助けになったという。

思えば仕事で投資するときは分厚い何百ページもの契約書を作成して事前合意事項の交渉にいそしむのに、人生最大級に大切な“結婚”という契約で事前の合意事項確認が極めておろそかなのは不思議なかぎりだ。ここは結婚前に極力、潜在的リスク事項に関して十分事前の取り決めをしておくべきであろう。(まぁ、そんなこと言っていると一生結婚できないわけだが・・・)。

MBA留学時はどう切り抜ける?

なお以前のコラムでも触れたが、海外MBA留学というのはグローバルエリートの皆さんのタガが大いに外れる一時期であり、MBA=Married But Available(結婚してはいるが、お付き合いOK)と、どこの国のMBAプログラムでもジョークのネタになっている。

この“留学離婚リスク”をうまくマネッジして留学中も幸せにやっているカップルのパターンに関しては、やはり奥さんないし旦那さんが仕事を辞めて相手のMBA留学先に一緒に付いて来ており、1年なり2年なりアメリカないしヨーロッパで“長めの新婚旅行”くらいの気持ちで一緒でいるケースが多い。逆に若くて魅力的な才覚あふれる独身女性が一人で来ているケースでは、ハンサムで野心満々の各国のエリート男性に言い寄られ、入学早々エライことになってしまっている。

自分の周りを見渡しても、私の留学時代はギリシャ人、韓国人、香港人、オーストラリア人、イスラエル人、サウジアラビア人、ポーランド人etcと各国の同級生が嫁さんと一緒に留学していて、非日常的な年月を共に過ごすことにより、さらに絆が強化されていた。これに対し伴侶が仕事を選んで独り留学してきた友人は、私の周りではアメリカ人2人を含む計3人が、入学後約3ヵ月で離婚してしまった。

したがって、あなたのパートナーが留学する、と言い出したら、 「うちの和美に限って、絶対大丈夫・・・」と自分を思い込ませるのではなく、内心離婚を望んでいるのでもないかぎり仕事を辞してでも一緒に留学されることを強くお勧めしたい。

(ちなみに逆にあなたが奥さんとの離婚を望んでいるときは、相手の留学を最大限応援するのも秘策のひとつであり、この際修士課程のみならず、博士課程まで全力で薦めてみよう)。

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