”離婚の危機”をエリートはどう乗り越える? 結婚生活の悲惨さは、全て株価に織り込み済み?

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恋愛至上主義の人と結婚すると、後が大変

逆に出来るだけ注意したいのが、“恋愛体質”の相手との結婚である。普通はいい年を越えたら関心事項が恋愛から結婚、子育て、家庭を守ること・・とシフトしていくのだが、若い頃に恋愛を十分楽しんでいないと、潜在的に欲求不満が蓄積され、ある日好みの相手が現れたらその胸の高鳴りをコントロールすることができない、という人がいる。

彼女たちは結婚生活していても、「私は今もこの人のことを、本当に愛してるのかしら?」などとロマンチックな悩みを抱えてストレスを感じ、カゴに入れられた小鳥と自分を重ね合わせたりするのだ。

これに対し、それなりの回数の恋愛を経験してきた人は、恋愛感情はしょせん数年で消えると悟っており、流動的な恋愛にうつつをぬかすよりも現実的で安定的な家庭を築くことに関心がシフトする。

ところがロマンチックな小説やら映画やらドラマに熱狂しがちな相手と結婚してしまうと、夫どころか子供まで捨てて、アラフォー、アラフィフ、下手したらアラシックスの熟年恋愛に奔走してしまうのである。(・・・別にいいけど)

結婚のリスクを、自分の人生の株価に織り込むこと

本日も長らく、ブツブツとコラムを書き綴ってしまったが、最後にまとめさせていただこう。いろいろと結婚生活を長期間維持する人、離婚を回避する人たちの行動について述べてきたわけだが、彼ら・彼女たちに共通するのは「普段の結婚生活は勤労生活の一環」だと位置づけているケースが多いということだ。

彼らは結婚に“永遠の幸せ”などの月9のドラマに刷り込まれた虚像は求めず、父親、夫としての務めを果たす、と義務のような位置づけをしているため、結婚生活で自分を犠牲にすることが多くても当然のように受け止められている。やはり結婚生活を通じて相手を変えるより、自分の期待値を下げに下げて、心の中で“結婚引き当て金”をさんざん積み増ししておくことが重要なのだろうか。

結婚生活に不満の多い方は、そもそも結婚とは何か、に対する哲学的認識を変え、ハリウッドの映画(ゴーストとか)に侵されて“永遠の幸せ”とか酔狂なこと考えずに、“これも輪廻転生し、解脱するまえの苦行の一貫”くらいに思っておいたほうが結局、“幸せな結婚生活”を維持できるということか。

今後、“グローバルエリートは見た!”では、“長期的な恋愛関係・結婚生活を上手くマネッジするための秘訣”に関する研究を進める予定なので、体験談を御寄稿くださる方はこちらまでよろしくお願い申し上げます。

ムーギー・キム 『最強の働き方』『一流の育て方』著者

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Moogwi Kim

慶應義塾大学総合政策学部卒業。INSEADにてMBA取得。大学卒業後、外資系金融機関の投資銀行部門にて、日本企業の上場および資金調達に従事。その後、大手コンサルティングファームにて企業の戦略立案を担当し、多くの国際的なコンサルティングプロジェクトに参画。2005年より外資系資産運用会社にてバイサイドアナリストとして株式調査業務を担当した後、香港に移住してプライベート・エクイティ・ファンドへの投資業務に転身。英語・中国語・韓国語・日本語を操る。著書に『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』と『一流の育て方』(母親であるミセス・パンプキンとの共著)など。『最強の働き方』の感想は著者公式サイトまで。

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