やはり、子はかすがい
離婚の危機を救う多くのケースが子供なのは、日本に限らずどの国でもそうである。私の大変けしからん友人で、共に米系の投資銀行(互いに競合)で働いていたのだが、奥さんと離婚するためにグローバルオフィスを次々と転勤して、奥さんを振り切ろうとしていた“困った男”がいた。
このデリバティブ・トレーダーである彼はニューヨークで結婚したものの奥さんに飽きて離婚の口実を見つけるため、ロンドンに転勤を願い出てまずロンドンに単身赴任した。奥さんもそこは頑張ってロンドン転勤に成功したのだが、ものの半年もたたずに今度は旦那が東京に転勤を願い出て六本木近辺に引っ越してきたのだ。
彼はスタートレーダーの稼ぎ頭なのでどこへでも転勤させてもらえるのだが、奥さんは職を賭して自分の上司に直談判して、自分が勤める会社の東京オフィスまで飛んできたのである。
そして今度はその“あきらめの悪い旦那”が香港に転勤を願い出て、まさに世界を股にかけて嫁さんから逃げ切ろうとしたのだが、香港で離婚の話し合いをしているときに奥さんの妊娠が発覚。これでそのトレーダーは私に「人生が終わった、人生が終わった」と長らく本当に嘆いていたのだが、子供が生まれた途端態度が急変した。
暫くして私に「神様から人生最高の贈り物をもらった」と喜びのメールを送ってきて、家族といることが毎日の最高の幸せになったという。浮気者のプレーボーイ・トレーダーにも、父性本能がやはり備わっているわけであり、 “子は夫婦のかすがい”というのは国を問わず本当のようである。
ちなみに妊娠もしていないのに自分を見限ろうとしている彼氏に“妊娠したの”などとウソをついて、ネットで胎児の写真を手に入れプリントアウトして、丁寧にマジックで日付まで書いて彼氏をつなぎとめようとした恐ろしい女性も見たことがあるが、後にその虚言が発覚して彼氏の家を追い出されたのは、申し上げるまでもないことである。
親の仲がいいと、子供の結婚もうまく行く
最後に申し上げたいのが、結婚生活がうまくいっているカップルはやはりその両親の仲がいい可能性が高いということだ。幼少期から両親がお互いに仲良く思いやる姿を見てきているので、家庭内でお互いに対しどのように振る舞うべきなのか、無意識のレベルで深くインストールされている。
この結婚相手への立ち居振る舞いは幼少期にデフォルトで無意識にインストールされる人格のオペレーション・システムであり、間違った結婚相手を選ばないためには“結婚相手のご両親の仲がいいかどうか”は重要な“結婚生活の予兆”になるであろう。
また「両親の仲がいい」というのはこれも双方の歩み寄りや努力を経ての関係なはずで、その両親の家庭内での歩み寄りを見ていることが、自分自身が妻/旦那に歩み寄る際のいいヒントになっていることであろう。昔の人はよく、「結婚するときは相手の親を見て結婚しろ」と言っていたものだが、これには一理も二理もあるのである。
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