加えて、親や配偶者への相談もしておきたい。転職先が決まったのに大反対されたのでは、目も当てられない。反対しそうな家族がいれば、早めに説得を始めよう。
多くの会社が就業規則で「1カ月前に退職の意思表示をすること」と明示しているが、民法では2週間前に会社側に申し出をすれば、退職することができる。会社側も「退職は認められない」とすることはできない。ただ、円満に退職を目指すなら、やはり1カ月前には伝えておきたい。
もっといえば、コメントにもある通り、有休消化を考えると1カ月では引継ぎができない場合もあるし、担当替えなどを考えれば、退職が決まったら早めに会社に申し入れた方がいいだろう。
転職先から、「1日でも早く来て」と言われるかもしれないが、引き継げる日数についても考慮することが必要だろう。
そして、職場に対する退職の報告は、「そういうチャレンジをしたいという強い気持ちがあるなら仕方ないね。応援しよう」と思ってもらえるような伝え方が大切だ。
気持ちのいい辞め方をすれば、辞めた会社での人間関係はそのまま続いていくし、そこで築いた人脈は将来の財産にもなる。転職すればするほど人脈は広がっていく。退職した会社と取引している人、昔の仲間と起業した人などは、そうした過去の人脈を財産にできた人たちだ。それに対して、うしろめたい辞め方をした人は、会社に顔を出しづらく、せっかく築いてきた人間関係も切れてしまうだろう。
人脈を残すためにも「後味のいい去り方」を
また、信頼のおける人には、事前に話をしておくのもいいだろう。転職が決まってから、会社の辞令が出るまでの間に、内々に伝えておく。そうすれば退職する際の手続きや、送別会などで力になってくれることもあるし、退職後の交流で情報交換を続けることができる。「退職した人同志で同窓会」をしている人も多い。
最後に、「最終出社日の挨拶」も忘れてはいけない。小さな会社ならできるだけ全員に、そうでなければ一緒に仕事をしたことのある同僚や、関係部署に「お世話になりました」と挨拶にいく。外出や出張で不在なら別だが、反りが合わなかったり、遺恨があったりした人にも、最後のけじめとして例外なく挨拶しておきたい。
その際、お世話になった気持ちを表す意味で「お菓子」を配るケースが多い。そうすれば、話をするきっかけにもなるし、手持ち無沙汰になることもない。意外に送り出す方も、一言お礼や言葉をかけたがっているものだ。
現在は、景気が上向いているので、あわてなくても求人は十分にある。転職を考えている人は、具体的な活動に入る前に、まずは、転職するための社内の足固めから始めたい。
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